くりはら田園鉄道〜宮城県栗原市・登米市〜
  Kurihara Denen Railway
▼MAP

▼アクセス
JR東北本線 石岡駅
 2007(平成19)年4月に廃止となった、宮城県の北部の石越町から、かつて細倉鉱山のあった細倉マインパーク前まで25.7Kmの路線を持つ第三セクター鉄道。大正7年に私鉄の栗原軌道鉄道として発足し、その後「栗原電鉄」に。しかし、経営難のために1995(平成7)年4月から第三セクターとなり、同時に電車からディーゼルカーの運行へと変わりコスト削減と、新車導入を行いました。
 しかしながら経営の苦しさは悪化する一方であり、ついに歴史に終止符を打ちました。
 現在は若柳駅周辺で動態保存が行われており、旧若柳駅から片町裏信号所(石越方面)まで約500mの区間で走行しています。また、若柳駅は創建当時の姿への復元が行われました。
1.ローカル私鉄の厳しい現状

くりはら田園鉄道 石越駅
現在は駅舎は解体され、この駅舎は過去の姿となりました。


KD−95形
石越駅で出発を待つ。現在も動態保存されており、その姿を見ることが出来ます。

 JR石越駅のトイレがくみ取り式だったことに多少驚きつつ、駅前へ。ちょうど向かい側に「くりはら田園鉄道」という小さな私鉄(第三セクター)の駅があります。この鉄道の概要については上に述べたとおりで、非常に厳しい経営環境でした。

 ちなみに愛称は「くりでん」。栗原電鉄の時から呼ばれていまして、この愛称を生かして、電車が走らない現在の社名も「くりはら田園鉄道」になっているんです。こちらも略すと「くりでん」。略称は変えなかったわけです。

 さて、この石越駅はなかなか可愛いデザインで、どうやら大正時代から使われている物らしいです。懐かしさを感じさせる一方、「ぼろい」とか「古すぎ!」というマイナスのイメージも感じさせず、上手く設計されているなあと思います。というか、手入れが行き届いているんでしょうね。しかしながら、経営難のために駅は無人駅になってしまっています。

 では、ちょっと見たい物があるので「くりでん」に乗車します。
 ここから乗るのはディーゼルカーKD95形。おでこのライトが、細倉鉱山のカンテラをモチーフにしたそうで、ちょっとユニークな形になっています。車内は綺麗で、木の材質を生かした作りになっていて、とても暖かみがあります。

 さて、全線乗車するのも面白そうですが、まだ他に行くべき所もあるので若柳駅で下車するにとどめました(廃線になった現在を考えると、全線乗っておけばよかった・・・)。ここには、旧「栗原電鉄」の車両達が未だに眠っています。ちょっと見てみましょう。

2.栗原電鉄の車両達

MC151型

M183型。駐輪場になっていて、なかなか良い再利用法だと思います。

若柳駅構内

MC151型 上写真のM183型と連結されて駐輪場として第2の人生。右のある貨車も相当古い物らしいです。

M181型ペイント電車

若柳駅で販売されている記念CDより。現役時代の姿と言うことになりますね。

M183型と可愛い機関車DB101。後者の方はまだ現役みたいです。

若柳駅。看板には「みんなの足だよ栗鉄は。乗って残そう孫子のために」とあります。全くその通りですが、親父の世代は乗らないんですよねえ。