旧日本勧業銀行本店（千葉トヨペット本社）～千葉県千葉市美浜区～

　現在は千葉トヨペット本社および中央店として使われている上写真の建物は、１８９９（明治３２）年に日本勧業銀行本店として、現在の東京都千代田区内幸町に建築された木造２階建ての建物です。設計は妻木頼黄（つまきよりなか）と武田五一（たけだごいち）で、唐破風を持つ中央の玄関を持ち、桃山式の和風の外観が特徴です。
　１９２６（大正１５）年に京成電気軌道株式会社（現・京成電鉄）に売却され、千葉県習志野市にあった谷津遊園へ移築。さらに、１９４０（昭和１５）年に千葉市中央区へ移築され、千葉市役所として１９６１（昭和３６）年まで使用されました。
　さらに、千葉市役所新庁舎が建築されることに伴い解体されることになり、千葉トヨペットが市内に移築することを条件に無償で譲り受け、当時の金額で４億円を投じて１９６５（昭和４０）年に復元移築し、１９９７（平成９）年に国登録有形文化財に指定されて現在に至ります。
　なお、復元移築にあたっては躯体を鉄筋コンクリート造に変更しています。屋根は木造で、概ね創建当時の姿を残しています。
　（撮影：デューク）

○地図

○風景

建築当初の姿
現在の姿と比較すると、屋根は屋根窓が無くなった程度で面影を残す一方、その他窓の配置などは大幅に変えられていることが分かります。