特急【いなば】


JR発足後に誕生した特急だが、最後まで国鉄色を守り抜いた。
(写真:山陽本線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:1997(平成9)年
運転区間:岡山〜鳥取
元使用車種:キハ181系

●列車の解説

 JR西日本がキハ181系を用いて運転していた特急列車で、津山線経由の急行「砂丘」を格上げする形で登場し、山陽本線〜智頭急行経由で陰陽連絡列車として活躍していた。勾配区間の少ない高規格路線の智頭急行を経由することで、「砂丘」時代に比べて、走行距離が10km伸びたにもかかわらず、約30分短縮を果たした。

 基本的に3両編成で運転され、岡山で見られる国鉄色の列車として貴重だったが、2003(平成15)年で新型車両キハ187系に置き換えられ、愛称は「スーパーいなば」となった。

 なお、「いなば」の愛称は1964(昭和39)年から広島〜鳥取の準急(のち急行)として使われたのが最初(1968年に「ちどり」と改称)。1972(昭和47)年〜1975(昭和50)年には大阪〜鳥取の急行、1975年〜1978(昭和53)年には東京〜米子の寝台特急として活躍(ちなみに、寝台特急紀伊と東京〜名古屋は併結運転)し、運転区間の出雲市延長に伴い愛称が「出雲」に統合されてからは、しばらく「いなば」の愛称は無くなっていた。

 これが1996(平成8)年3月から、山陰本線園部駅〜福知山電化に伴う特急「あさしお」(京都〜米子)廃止によって、一部区間を引き継ぐ形で米子〜鳥取の特急列車として1往復が運転され愛称が復活。そして翌年のダイヤ改正で今回紹介した岡山〜鳥取の特急に愛称が抜擢されたという歴史を持つ。

〇ギャラリー


特急「いなば」トレインマーク。
(撮影:裏辺金好)

特急「いなば」愛称・行先方向幕。JR西日本の標準デザインである。
(撮影:裏辺金好)

(写真:山陽本線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

(写真:山陽本線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

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