特急「かいじ」


E353系による特急「かいじ」。
(写真:中央本線 飯田橋駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

登場年:1988(昭和63)年
使用車種:E257系(臨時)、E353系
元使用車種:183系、189系
運転区間:東京・新宿〜甲府・竜王

●列車の解説

 国鉄末期から中央本線の特急「あずさ」は中央高速道の高速バスとの競争が激しくなっていた。昭和61年には1時間ヘッドの運転となったが、その一方で甲府までは慢性的に混雑するようになっていた。

 JR化を迎え、すぐにJR東日本はこの中央本線の特急系統の改革に取り組む。昭和63年に甲府までの特急を大幅に増発し、松本方面への「あずさ」との客層の分離を図った。この際に甲府行きの特急につけられた愛称が「かいじ」だった。もともと甲府までの急行列車につけられていた愛称で、久々の復活となった。

 運転開始当初はほとんどの列車がモノクラス6両編成での運転だったが、JRの努力が功を奏し、好評のうちに迎えられ、平成5年には全列車「あずさ」と共通の編成にまで増強された。

 その後は「あずさ」とともに中央本線の一翼を担っていたが、183系・189系が老朽化したため、E257系が投入され、「あずさ」に先だって置き換えが完了した。

 また、行先は登場当初から季節列車などで松本方面まで足を伸ばす列車があったが、「あずさ」との差異がなくなってしまうため、次第に姿を消していった。ただ、近年では駅前駐車場の整備が完了した竜王まで延長運転している列車もあるなど、行先には非常に興味深いものがある。

 2018(平成30)年7月1日からは、大半の「かいじ」にE353系が投入。2019(平成31)年3月16日改正では全列車がE353系に統一され、E257系は定期運用から撤退。当面は臨時列車で見られる予定であるが、大半の車両は特急「踊り子」などで活躍する185系置き換えのため、改造が進められる。

●ギャラリー(183系)


定期運行していたころの183系特急「かいじ」。
(写真:中央本線 八王子駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(189系)


豊田車両センターの189系M51編成
(写真:中央本線 西国分寺駅/撮影:裏辺金好)

豊田車両センターの189系M51編成(国鉄色 特急シンボルマーク無しの頃)
(写真:中央本線 八王子駅/撮影:裏辺金好)


長野車両センターの189系N101編成
(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)


豊田車両センターの189系M50編成
(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)


豊田車両センターの189系M52編成
(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)


長野総合車両センターの189系N102編成
(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(E257系)


(写真:中央本線 阿佐ヶ谷駅/撮影:デューク)

中央・総武線の209系500番台との離合
(写真:中央本線 荻窪駅/撮影:裏辺金好)


9両編成の場合、新宿方の先頭車は貫通型となるが、そのヘッドマークは日本語とアルファベットで交互に列車名を表示する。アルファベットの場合、「K」だけがやたらと大きいことがわかる。
(写真:中央本線 八王子駅/撮影:裏辺金好)


こちらは「かいじ」と表記されたパターン
(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)


(写真:中央本線 西八王子駅/撮影:裏辺金好)

「かいじ」の行先表示機。E257系の標準的な表記方法で、列車名、号車番号、行先、座席の種別などが書かれている。号車番号などの色が昼間だと見にくいのが難点ではある。
(撮影:デューク)

●ギャラリー(E257系)



E353系による愛称・行先表示
(撮影:裏辺金好)

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