特急【ライラック】


789系0番台による特急「ライラック」。先頭側面のステッカーは編成ごとに異なっている。
(写真:函館本線 旭川駅/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1980(昭和55)年
運転区間:室蘭・(千歳空港)〜札幌〜旭川
元使用車種:781系・785系

●基本データ(再登場時)

再登場年:2017(平成29)年
運転区間:札幌〜旭川
使用車種:789系

●列車の解説

 北海道専用の特急電車形式781系が登場し、「いしかり」に使用されるようになっていたが、千歳線と室蘭本線の電化が完成するとこの区間にも電車特急を走らせることになった。本来であれば急行「千歳」からの格上げとなるが、運用効率を考え、それまでの「いしかり」を室蘭まで区間延長することになった。ここで愛称の変更が実施され、登場したのが「ライラック」であった。

 列車の性格は「いしかり」「千歳」の時と変わらず、札幌と各都市の都市間輸送であった。札幌で乗客が入れ替わるため、グリーン車等の設備は最初からなく、普通車も自由席がほとんどというスタイルは「いしかり」の特徴そのものであった。

 登場からしばらくは特に大きな変化もなく過ごしてきた「ライラック」であったが、昭和61年の春に増発に備えて編成の短縮が実施されるようになり、11月のダイヤ改正では速達型の「ホワイトアロー」の登場にいたる。

 この状態でJR化を迎えるが、やはり札幌での乗客の入れ替えが多く、また、札幌〜旭川間と札幌〜室蘭間での需要の差も浮き彫りとなり、平成4年に室蘭側が「すずらん」として独立した。一方、「ライラック」自体は快速「エアポート」の一部列車も担当することになった。

 後に「エアポート」の運用は「スーパーホワイトアロー」に任せる形となり、札幌〜旭川間の列車となっていたが、2007(平成19)年に後継の789系1000番台の登場により、781系は置き換え。同時に「スーパーホワイトアロー」ともども「スーパーカムイ」に改称され、列車愛称が消滅した。

 ところが2017(平成29)年3月4日改正で、789系0番台が北海道新幹線開業で廃止になった特急「スーパー白鳥」から転用されることになり、旭川方面の特急が再編。グリーン車付きの789系0番台が「ライラック」、Uシート設定の789系1000番台が「カムイ」となった。

●ギャラリー


国鉄時代の781系特急「ライラック」。
(写真:函館本線 札幌駅/撮影:ひょん君)

こちらも国鉄時代の781系特急「ライラック」。
(写真:函館本線 札幌駅/撮影:フェニックス様の父親 禁転載)

 国鉄色&旧ヘッドマークの頃の「ライラック」。昭和61年以降、短編成化されていた。
(写真:不明/撮影:haru様:禁転載)

活躍期間があまりなかった785系「ライラック」。
(撮影:haru様:禁転載)

道央の都市間輸送に活躍した781系による「ライラック」
(写真:平和駅/撮影:デューク)

 白石駅を通過していく「ライラック」。
(写真:白石駅/撮影:デューク)

塗装変更後の781系特急「ライラック」。この姿で晩年を迎え、国鉄色に戻ることはなかった。
(写真:函館本線 岩見沢駅/撮影:裏辺金好)

 札幌目指して出発する「ライラック」。札幌から旭川までは、JR北海道の中でもドル箱路線であり、多数の特急列車が運転されるが、どの列車も全速で走っていく。
(写真:旭川駅/撮影:デューク)

 札幌駅で発車を待つ「ライラック」。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)

 「ライラック」の名もあと1ヶ月を切った頃の様子。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)

 札幌駅に入線する「ライラック」。
 先頭車両の前半分が指定席車両で、「エアポート」で使用されていた時のUシートがここである。「ライラック」は両数が少ないこともあり、慢性的に混雑しているような気がする。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)

 旭川に向けて出発した「ライラック」。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)

 こちらも札幌駅を出発した「ライラック」。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)

 秋の函館本線を行く「ライラック」。
 「ライラック」のヘッドマークは国鉄時代は緑ベースのものであったが、現在は白ベースのものである。現在のものは落ち着きがあって好きだが、出来れば国鉄時代のマークも使ってほしいところではあったが・・・。
(写真:苗穂〜白石間/撮影:デューク)

 豊平川に差し掛かる「ライラック」。
(写真:白石〜平和間/撮影:デューク)

 大麻駅を通過し、札幌を目指す「ライラック」。
 私事ながら、このときが初めて「ライラック」を目撃したときであった。
(写真:大麻駅/撮影:デューク)

 Uシート側から1枚。
(写真:岩見沢駅/撮影:デューク)

 岩見沢駅を発車していく「ライラック」。
(写真:岩見沢駅/撮影:デューク)

 雪の降りしきる岩見沢駅に到着した「ライラック」。
(写真:岩見沢駅/撮影:デューク)

 出発を待つ「ライラック」。
(写真:旭川駅/撮影:デューク)

 旭川駅に停車中「ライラック」。
(写真:旭川駅/撮影:デューク)

「ライラック」の行先方向幕。 JR北海道の他の国鉄型特急と同様の方向幕のデザインだ。しかし、Lマークが入るのはこの列車の特徴でもあった。
(写真:札幌駅/撮影:デューク)       

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