特急【うずしお】


事実上、「うずしお」専用の系列となった2600系。
(写真:高徳線 木太町〜屋島/撮影:リン)

●基本データ

登場年:1988(昭和63)年
運転区間:岡山・高松〜徳島 ※以前は牟岐駅、甲浦駅直通有り
使用車種:キハ185系、2600系、2700系
元使用車種:キハ181系、2000系

●列車の解説

 「うずしお」という愛称はもともと新大阪〜宇野間に運転されていた特急列車の名称で、四国との連絡を担う列車であった。しかし、新幹線の岡山開業の昭和47年に廃止となった。

 さて、国鉄時代の四国の特急といえば、「しおかぜ」「南風」のみで、堅調な利用客のあった高徳線は特急運転区間から取り残されていた。しかし、急行「阿波」に使用されていたキハ58系も老朽化してきていて、さらに瀬戸大橋の開通で、乗客の増加も見込めることから、特急によるイメージアップを図ることとなり、昭和63年に高徳線初の特急として登場したのが「うずしお」である。

 当初はキハ185系2両編成による運転だったが、非常に好調であったため、すぐに3両編成に増強された。その後は、牟岐線への直通運転も開始され、高松から岡山へ直通する列車なども登場し、運転区間が拡大していった。さらに、2006(平成8)年には初めてグリーン車の連結も実現し、岡山へ直通する列車を中心に連結されるようになった。

 更なるスピードアップを目指し、2008(平成20)年にはN2000系が投入され、高松〜徳島間が1時間以内で結ばれるようになった。この年の秋、「うずしお」は大きな運転上の転機を迎え、利用率が芳しくなかったグリーン車の連結を中止、さらに牟岐線への直通運転を廃止し、「剣山」と「むろと」に牟岐線の運用を任せる形となった。

 これによって、大半の列車が2000系で運転されるようになったが、「剣山」と共通運用を組む列車のみキハ185系で存置された。これらの列車には土休日を中心に「ゆうゆうアンパンマンカー」が連結されるためイベント列車の様相だ。なお、一時期予讃線の伊予西条から運転される「うずしお」3号があり、異色の存在であった(現在は高松で系統分割され、高松までは「いしづち」4号となった)。

 また、2017(平成29)年12月2日からは新鋭車両である2600系が3往復に投入。2両編成×2本が製造されたもので、車体傾斜に従来の振り子方式に代えて、空気ばね式車体傾斜方式を採用したのが特徴。しかし、山間部でカーブが多い土讃線での運用には不向きなことが判明したことから量産されず、基本的に「うずしお」専用となりそうである。

 さらに2019(令和元)年9月28日からは2700系が7.5往復に投入(※これに先立つ8月6日からは一部列車に臨時で充当)。これによって「うずしお」使用車両の大半が2600系、2700系となり、N2000系を見かける機会は激減している。2020(令和2)年7月18日からはキハ185系で運転される1往復(9・32号)を除き、2600系、2700系での運転に変わり、N2000系は定期運用から離脱している。

●ギャラリー(キハ185系)


キハ185系による特急「いしづち」との並び。
(写真:高徳線 高松駅/撮影:リン)

キハ185系による特急「うずしお」。右は「ゆうゆうアンパンマンカー」を連結し、トレインマークもアンパンマンが描かれている。
(写真:高徳線 屋島駅/撮影:裏辺金好)


 キハ185系の方向幕。国鉄時代と同じデザインの方向幕が用意されている。やはりこちらのほうがしっくりくると思う。
(写真:高徳線 高松駅/撮影:裏辺金好)

●ギャラリー(2000系)


主力N2000系による「うずしお」。2008(平成20)年に登場したN2000系は「うずしお」で主に運転されている。現在の「うずしお」の主力である。振子機能と強力なエンジンで、特に勾配区間ではキハ185系を寄せ付けない走りを披露するが、意外にも12年という短い活躍で「うずしお」から引退している。
(写真:高徳線 高松駅/撮影:リン)

N2000系の量産先行車である2424号車。
(写真:高徳線 高松駅/撮影:リン)

少数だが貫通型の2000系も運用に就くこともあった。(※2両目以降はN2000系。)
(写真:高徳線 高松駅/撮影:裏辺金好)

(写真:高徳線 徳島駅/撮影:裏辺金好)

(写真:高徳線 木太町〜屋島/撮影:リン)

(写真:高徳線 木太町〜屋島/撮影:リン)

「うずしお」の行先表示機。2000系はLEDによる表示機を採用しており、列車名と行先が交互に表示される。両方いっぺんに表示してくれと心の中で叫んでみたり(爆)。
(写真:高松駅/撮影:デューク)

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