第1回 古代ヨーロッパ文明概論古代ヨーロッパって、「解りにくい」という人が多いので、本題に入る前に、ちょこっと今からお話しする内容の概略をご紹介します。これを読んで、古代ヨーロッパ文明の大体の流れをつかんでください。
これら文明の後、数世紀に渡り暗黒時代が続き混乱。この後、ギリシャ人達はポリスとよばれる小都市国家を分立させ争うようになります。彼らは絶えず仲違いをし、戦争を起こしましたがオリンピックの原型であるオリンポスの祭典や、デルフィの神託、宗教などを享有し、異民族に対してバルバロイ(聞き苦しい言葉を話す者)と差別し、自分たちはヘレネスだ、とまとまりました。 さて、このポリスでは当初、王や貴族を中心とし、平民・奴隷を支配する政治でしたが、人々が地中海各地に植民市を作り海外進出を果たすと、貿易に従事した平民達を中心に一般の人々も豊かになり、高価であった武器・防具を持って国防に従事するようになります(そのうちに、武具自体も安くなる)。 このため、平民達は「国を守っているんだから、我々にも政治に参加させろ!」と要求するようになり、次第に平民による政治が確立します。これが、民主政です。ですが、平民達のご機嫌を取った者が貴族を倒して独裁者になることもあり、今度は「独裁者になりそうな奴を、署名を集めてポリスから追放する」陶片追放の制度を定めましたが、これも政争に使われることも多くありました。
なお、この民主政には代議士もいなければ、政党もありません。直接民主政というもので、民会で成年男子全員で議決します。一方、女性には参政権はなく、また奴隷にも当然ありませんでした。奴隷は、かなりの数がいて、主に戦争での捕虜、異民族、借金で首が回らなくなった市民から成ります。家の中で働かされた他、鉱山など過酷な環境でも酷使されました。
ところが、スパルタの覇権も長く続かない。今度は、テーベというポリスが力をつけ圧迫します。さらにペルシャが甘い言葉などで介入し、ポリス間を争わせます。こうして、戦争によって国土は荒廃し、土地を失うもの続出。いつの間にか地主ばかりがぶくぶく太り、さらに戦争も傭兵対傭兵という図式になり、金次第・・なんてことに。ここにおいて、ポリスがあるギリシャ半島の北方で勢力を拡大したマケドニアのフィリッポス2世が南進。4世紀前半にポリスを屈服させました。
彼はオリエント風の専制君主として君臨し、また東西融合の理想を掲げギリシャと東方世界を結びつけ、ヘレニズム文化というそれまでにない文化を形成させることになります。しかし、彼の死後、力のあった部下の将軍達によって領土の継承が争われ、結局プトレマイオス朝エジプト、セレウコス朝シリア、アンティゴノス朝マケドニアに分割され、さらにシリアからはバクトリア、パルティアといった国が独立します。 こうして、アレクサンドロス大王の夢は潰え、さらにギリシャを中心とする世界は衰退。代わって後進国であるローマ共和国(→帝国)がギリシャの地など地中海地域全域、さらには今のイギリス地域まで支配するようになるのです。 →次のページ(古代ヨーロッパ文明)へ |