第三十九話 時代を先取りする男

 バイクの免許を取りに行くとき、私には一つの考えがあった。

 それは、十二月になると自動車の免許をとって三回目の誕生日を迎えるので免許の更新をせねばならないので、バイクの免許をとるついでに免許更新をして更新費用と手間を減らそうというものであった。しかし、実際にはバイクの教習が学校の都合や教習所の時間の都合で思ったよりも時間がかかってしまい、十一月の終わりごろになって、バイクの実技試験の終了日が誕生日をオーバーしてしまうことが判明。よって、仕方なく免許を更新しにいくことにした。


 浜松市の場合、免許は浜松市の北側にある町―そのまんまの名前にきこえるのだが―浜北市の警察署の隣にある免許センターで交付される。


 思い出せば自動車免許をとりにいくときは苦労した。免許センターにいくにはまず、浜松駅の近くにある新浜松駅から通称赤電(車体が赤いから)に乗り込み、浜松から北へとむかい、浜北市にはいり、小松という駅でおりる。そしてそこから徒歩でいくことになるのだが、駅から免許センター案外距離があり、少しわかり辛い(ただ私がとりにいったときは同じように免許を取りに行く大学生が大勢いたので、人の波に乗って免許センターにいったのだが)。


 免許センターに免許とりにいく人は車乗っていけないのだから、もっと駅の近くに造れといいたい!!
 ちなみに免許センターと道路を挟んで反対側に「合格屋」という怪しい店がある。噂によると試験で使う問題(三パターンほどあるようだ)を高額(一万円?)で販売している、公安委員会の運営している店らしいが・・・なんにせよ胡散臭さが漂う建物である。


 実は従来までは免許の更新にこの免許センターまでいく必要があったのだが、確かこの年からだっただろうか、前回の更新から無事故・無違反なら近くの警察署(派出所ではない)で免許の更新が行えるようになったのだ。もちろん浜北の免許センターまでいくのは骨なので、浜松中央署へといった。中央署の近くにはブックオフがあるのでついでにブックオフにいこうという魂胆があったのだ。


 警察署に入ると私と同様、免許の更新にやってきている人が大勢いた。まず、免許更新用受付で免許と更新のお知らせを渡す。
 すると双眼鏡のようなものをのぞきこんでの視力検査となる。


 視力検査が終わると、免許更新の手数料を払うことになったと思う。更新費用(2500円くらいだったような)のほかに交通安全教会費(これも2000円くらい)の額を言われ、合計金額を請求された。この時点では交通安全協会費は半強制的に徴収されていたのだが、後に協会費を無理矢理徴収されたということで訴えを起こす人がいて、2004年くらいの段階で、協会費を払うかどうかは個人の判断に任される形となり、むこうから免許更新費用と教会費併せていくらになるという請求はできなくなったという。ちなみに交通安全協会費を払うと静岡県の地図がもらえるなどの素敵な特典がある。


 更新費用を払うと今度は署の壁の前に設けられたイスに座って写真撮影となる。この写真は免許用の写真となる。免許の写真は背景が青いのでイスの後ろには青い板のようなものが置いてあったように思う。昔は自分で証明写真を持ってきたそうだが今は署でとってくれる。中央署の隣にある証明写真屋は商売あがったりだろう。写真撮影がおわるとパーテーションで区切られた空間にはいって、交通安全ビデオをみるように案内された。


 ちなみにこのビデオの画面の横には、電光掲示板があり、その掲示板に自分の待合番号が表示されたら受付にいって新しい免許を更新してもらうという仕組みだ。また、掲示板に番号が表示されてからしばらくしてもこないと、ビデオをみていなかったとみなされ、更新手続きをやりなおすことになると警告がかいてあった。やり直すといってもビデオをもう一度みるくらいのことだとは思うが・・・。


 交通安全ビデオをみて、免許ができるのを待つ・・・。無事故・無違反の場合、このビデオ鑑賞が安全運転講習という形になる。そして、ビデオが一巡したころに私の番号が表示されたので、受付へと向かう。そして新しい免許を交付してもらい帰途についた。


 ちなみに、この免許を更新してもらった時点では、誕生日前の一ヶ月間に免許を更新しないといけなかったのだが、現行の法律では、誕生日の前後一ヶ月間で免許を更新するようにとなっている。つまり、あと数年早く現行の法律が施行されていれば、私はバイクの免許をもらうのと同時に免許を更新することが出来、更新費用や手続きも一回ですんだのである・・・。


 私はいつもながら時代を先取りしすぎてしまったようである・・・(なんてね)。


 さらに、以前は住民票のおいてある町の属する公安委員会の管轄内でないと免許の更新ができなかったのだが、無事故・無違反の場合に限って、住民票のおいてある公安委員会の管轄外でも更新ができるようになっている。なので、住民票は静岡だが出張で沖縄にいる場合、以前は静岡まで戻ってこないといけなかったが、今は沖縄で免許の更新ができるというわけだ。便利になったものである。


 どうでもいいが、静岡県警のマスコットキャラクターは、清水市や藤枝市がサッカーが盛んなこともあり、サッカーボールの顔をした警察官なのだが、いつ見てもJリーグのマスコットキャラクターのサッカーボールの頭をしたヤツの眷族にしかみえないのだが・・・。気になる方は、静岡県警HP http://www.wbs.ne.jp/cmt/kenkei/ 参照。


棒