恒星とは何だ!?

○自ら光り輝く星

 太陽のように自ら光り輝く星のことを、恒星といいます。私たちが空を見上げるときに見える星は、全て恒星といっても過言ではありません。いずれも太陽のように巨大なガスのかたまりで出来ていて、核融合反応をエネルギー源としています。一方、大きさは地球程度のものから、下図(佐賀県立宇宙科学館にて撮影)のように太陽半径の440倍なんて大きさなど、多種多様。


 え〜、太陽とほかの太陽系の惑星を比較するだけでも、こんな感じになるのですが。

 太陽の440倍だなんて、どんな大きさなんでしょうね。

○なぜ「恒星」という名前なのか

 実際には違ったのですが、従来は明るさが一定で位置が変わらないと考えられていたため、「恒星」という名前になりました。実際には少しずつ恒星の位置は動いており、今見ている星座も1万年、10万年と経過すれば、今と異なる姿になることでしょう。


○恒星の種類

 はじめに恒星には大きさが異なるものがあると説明しました。また、星の誕生と一生のコーナーにおいて、星の一生に沿っていくつかの星の種類を紹介しています。そこで、今回、ここに星の分類と種類をまとめてみました。 

 

1.一生の段階で分類する

 星は生まれてから燃え尽きるまでに様々な段階を経ます。赤色巨星を経るかなど、星により違いはありますが、大雑把に以下のような段階があります。


前主系列星
水素核融合を起こす前の、いわば子供の星々。
「原始星」「Tタウリ星」などの総称。
主系列星
水素核融合を起こして安定して輝く星々。 太陽など。
赤色巨星
赤色超巨星
主系列星が年老いたもの。 水素以外の元素で核融合を起こし膨張した、巨大な星々。
ウォルフ・ライエ星
主系列星から赤色巨星に移行する前に、星の外層部を吹き飛ばしてしまった星。太陽の25倍の質量をもつ星からなります。太陽の10万倍の明るさで輝くほか、太陽の10億倍のガスを噴出しています。そのため、ガスに覆われていることもあります。最後にはそのまま超新星爆発を起こすと考えられています。
コンパクト星
燃料を使い果たし収縮した星。元は主系列星の時も、赤色巨星の時も。 ブラックホール、白色矮星、中性子星のこと。

 

2.星の表面温度で分類する

 一番高温のO型星から、B,A,F,G,Kを経て、一番低音のM型星まであります。温度により、星の色は変わります。黄色い太陽はG型。地球の夜空で一番明るい恒星である「シリウス」は、より熱く、A型です。もっと熱い星もありますが、地球との距離の関係で、夜空では暗くなります。

温度

単位K(℃+273)

質量(太陽を1として)

半径(太陽を1として)

代表的な星
O 3万〜5万 40 20 アルニタク(オリオン座)
B 1万〜3万 7〜17 4〜8 スピカ、リゲル
A 7500〜1万 白・青 2〜4 1.7〜2.5 シリウス、ベガ
F 6000〜7500 1.3〜1.7 1.2〜1.4 ポラリス(北極星)
G 5300〜6000 0.9〜1.1 0.9〜1.0 太陽、カペラ
K 4000〜5300 オレンジ 0.7〜0.8 0.7〜0.8 アルデバラン、アルクトゥルス
M 3000〜4000 0.2〜0.5 0.3〜0.6 アンタレス、ベテルギウス

 

3.新しい星か、古い星で分類する

 重い元素が生まれる前か後かでわけています。


種族T

太陽など若い星。銀河に多く存在。種族Uが爆発してできた鉄、酸素、炭素など重い元素を含む。
種族U
種族Tより古い星。銀河の中心部分「バルジ」、銀河を覆う「ハロー」という部分にある球状星団に多く存在。重い元素を含まず、この星が一生の最後に大爆発を起こす(超新星爆発)ことで、重い元素が生まれ、種族Tの星が生まれました
種族V さらに軽い元素で出来た、宇宙で最古の星。まだ見つかっていません。


4.光り方を変える星だった場合

 さらに恒星の中には、明るさを時間と共に変えるものが存在しています。これを変光星といいます。

 

5.セットか否か

 さらに、中には惑星と衛星のように、中心となる恒星(主星)の周りを回る恒星(伴星)なんてものも存在しています。これを食変光星といい、この際に、みかけの明るさ(2星の合成光度)が変わるのが特徴です。

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