金星 (二酸化炭素の厚い大気に覆われた、地球に最も近い惑星)
     (Venus:英語読みでヴィーナス ラテン語読みでウェヌス)
●基本データ
太陽からの平均距離:1億820万km
大きさ(赤道直径):6052km
地球との比較:大きさ・・・地球の0.95倍、質量・・・0.815倍、重さ・・・0.82倍
平均密度:5.24g/cm3
公転周期:224.7日
自転周期:243.02日
衛星の数:0

●大きさ比較

水星〜火星

太陽〜海王星

●どんな構造?
 地球に最も近づく惑星で、大きさや重さなどは地球とよく似ています。また内部構造も似ており、深さ約30kmまでケイ酸塩で構成された地殻が存在。その下にはケイ酸塩からなるマントルが広がり、中心に金属の鉄・ニッケルからなる核が存在しています。

●どんな気候?
 ただし地球と気候は大きく異なり、二酸化炭素を主成分とする厚い大気に覆われ、この温室効果によって金星の表面温度は昼夜問わず摂氏470度と、太陽により近い水星よりも熱い!

 その上、この厚い大気によって太陽の光が直接地表に届くことさえありません。そして雲からは硫酸の雨が降る一方、あまりの暑さで地表に達する前に蒸発します。また、スーパーローテーションと呼ばれる秒速100mの風が大気上層で吹いています。このスーパーローテーションが発生する要因は不明です。

●どんな地形?
 金星の表面は火山活動によって造られた地形で構成されており、半分以上は、溶岩で覆われた平原地域です。

 地球や火星と比較すると起伏は少ないのが特徴ですが、金星の地形として特徴的なのが「コロナ」と呼ばれる、巨大な円環状(リング状)の地形です。円形に盛り上がっていて、直径数百kmから1000kmを超えるものもあるとか。また、円環状ではない「ノバ」と呼ばれる特徴的な地形も存在しています。

 また約5億年前以前にできたと考えられるクレーターが見当たらず、この頃に金星の表面の構造を一新してしまうほど大規模な火山噴火があったと考えられています。


●日本による主な探査
「あかつき」(PLANET-C)
2010年5月21日打ち上げ。
2010年12月7日に金星周回軌道への投入に失敗し、6年後の金星再接近時に再投入を予定。スーパーローテーションの謎を解明することが期待されています。