裏辺研究所所長のちょっとだけ暴言・暴論 > 第34段棒

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第34段  「はざみ山古墳」と「抵当権」(1月6日’05)

●法律紹介所、出張です

 東京に戻って参りました。雪が残っていたのでビックリ。
 さて、今週の法律紹介所ですが、色々とやることがあったり、掲示板のレスなどの対応で1日が終わりそうなので、急いで書いて誤植・・・も情けない。そこで代わりに、歴史ネタと法律ネタがミックスした、面白い時事問題を、ここで紹介しましょう。

 大阪府藤井寺市に国史跡「はざみ山古墳」(前方後円墳、5世紀中ごろ)というのがあります。国史跡の古墳なら、全て公の機関が管理しているように思われますが、実は、ここの一部の土地が、建設会社など四者の共有だったんですね。共有というのは、読んで字のごとく、みんなで1つの物を所有することです。それを使うときには、基本的には持分・・・例えば、その土地を買うにあたって、その人が出したお金の割合などに応じて、使うことが出来ます。

 さて、その土地に、なんと自動車販売会社の建設計画が持ち上がったそうなのです。4者で協議した結果、「造ってしまおう」という話になったんでしょうね。ところが、そうすると古墳の一部が削られて、建築物が建ってしまう可能性が出てきます。そこで市が開発にストップをかけるべく、この土地を、市土地開発公社を通じて2000年までに10億7000万円で購入しました。

 ・・・と、ここまでは良かったのです。
 しかし!
 その際、土地の四分の一にかかっていた1億円の抵当権の抹消を確認しましたが、後に抵当権者の署名が偽造されていたことが判明。市は抵当権を相続した人が起こした権利回復などを求める訴訟に敗訴し、大阪地裁堺支部は相続人側の申し立てで競売手続きを取りました。結論から言ってしまえば、民間の業者が落札してしまい、市が真っ青になっているという話です。

 と、ここで再び法律の話に。
 抵当権というのは、この例で言えば土地の所有者Aさんが、何か事業を興したいと考えます。そこで、銀行とか、この場合は建設会社からお金を借りることにしました。そこで建設会社としては、お金が返してもらえなかったときのために、担保となる土地が必要です。

 そこで、1億円の土地があるというので、建設会社が5000万円貸しました。
 いざお金が返してもらえなくなったら、この土地を売らせて、5000万円分を回収することが出来ます。

 ところが、土地の所有者Aさん。
 実は色々なところから3億円も借りていた。当然、お金が返せなくなったとき、1億円の土地を売った代金から、みんなで、それぞれが、お金を貸した割合に応じて回収することになります。

 それでは貸した5000万円全てが戻ってきません。
 そこで、抵当権の登場です。これを設定しておきますと、「私が優先」ということで、その土地を売った代金から5000万円分、優先して全て回収することが出来る、ということです。

 さて、そんなわけで藤井寺市の物になっていたはずの土地だったのですが、簡単に言えば手続ミスによって、消えたはずの抵当権が復活し、これを相続した人が現れてしまい、この人が抵当権を実行してしまったんですね。実行すると、当然、この土地を競売する手続に入ります。ところが、藤井寺市は既にこの土地の取得に総額で10億7000万円も使っていた。これ以上税金を使うことは出来ないし、こんな土地、誰も買わないだろうと思っていたところ、なんと不動産会社が888万円で落札したんです。

 今まで多額の資金を費やしたのは何だったのか?
 幸い、落札した不動産会社は「社長は古墳が好きで永久に持っていてもいいし、史跡として保存が必要なら藤井寺市に買ってもらってもいいと話していた」
 とのことですが、なんとも奇妙な話です。

 最後に、「はざみ山古墳」ですが、読売新聞によると
 100以上の古墳が集まる古市古墳群のほぼ中央にある前方後円墳(全長103メートル)で、5世紀中ごろの築造とされ、96年に国史跡に指定。出土した埴輪(はにわ)が約300メートル東の応神天皇陵の埴輪と共通しており、埋葬者は応神陵に関係の深い豪族ではないかと見られている。
 だ、そうです。
 

棒

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