
第21回〜移ろいゆく季節〜(8月28日’02)
窓から吹く風が涼しくなってきた(最近また暑いけど・・)。
先月初めにはあれ程盛んだった蝉たちも今は疎ら。耳を澄ませば、今は蟋蟀達の合唱が聞こえてきたりする。
風の感触もこの前とは違うし、何より所々に色付いた葉が付いてる木々を見かけることが多くなってきた。
昔の人の文章、中でも短歌や俳句を読むと、実に季節の描写が優れている。それは多分、移ろい行く季節を直に感じ続けている、その長い経験からくるものなのだろう。
あれから何年経ったのか、風の通り抜ける家は暖かさの微塵も無いコンクリートの壁で囲まれ、虫たちはもはや図鑑か博物館の中の存在になり、窓の外の景色すら見る余裕の無いほど時間に追われる日の繰り返し。古の人々が感じていたこの感覚を忘れるのは、何か大事なものを失ってしまう、そんな気がする。
少し歩みを止めて、自分の過ごす時間の速度を緩めて、季節の移ろいに目をやってみるのもなかなか面白いだろう。何か聞こえてはこないだろうか?心地よい風の音、虫の音、それは水の星の声なのか。
(この間聞いていた曲…AIRより「夏影〜Summer lights」)