甘露醤油

○濃口醤油よりも、さらに濃厚で甘みがあるのが特徴

 醤油といえばメーカー別で見ると千葉県のキッコーマン(野田市)、ヤマサ(銚子市)、ヒゲタ(銚子市)の製品が特に有名で、さらに醤油の種類では濃口醤油が全国のしょうゆ消費量の約82%を占めているそうです。そんな私の家にもキッコーマンの濃口醤油が料理で大活躍。

 しかし、全国には様々な醤油の種類と、そして製造メーカーが存在しており、それぞれが違った味を持っています。いつか飲み比べしてみたいものですが、いくつか味わいました結果、今回ご紹介する山口県柳井(やない)市の特産品である「甘露醤油」(かんろしょうゆ)は絶品でございます。

 濃口醤油と基本的に原料の配合は同じですが、濃口醤油は麹(こうじ)を食塩水で仕込むのに対し、なんと甘露醤油は加熱しない醤油で仕込むのが特徴。そのため、再仕込醤油という種類に分類され、もちろん濃口醤油よりも非常に濃厚でドロっとしており、塩気のある味ではなく、甘みのある味が特徴です。山口県のほか、山陰や九州の一部地域でも親しまれているそうです。

 ちなみに甘露醤油という別名がついたのは、天明年間に時の岩国藩主吉川公が、この醤油を所望して味わった際に「甘露、甘露」、要するに「おお、これは甘い、甘い!」と絶賛したことに由来します。

 特に刺身や冷奴(ひややっこ)に使用すれば、それはもう最高。上写真は柳井を代表する醤油メーカー、佐川醤油店の製品。山口県では良く売っていますので、お越しの際にはぜひお試しを。また、公式ホームページからはオンラインで買い物することも可能です。
http://www.sagawa-shoyu.co.jp/

 (写真&解説:裏辺金好)
     
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