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小説:天空の道、遥か 第1話 本日の目玉商品は・・・ 作:裏辺金好


 度重なる戦乱と、相次ぐ天災に疫病の発生によって人々が苦しんだ戦国時代。
 全国各地に割拠した戦国大名たちは互いにマージャンで争うばかりで、いつ終わるとも知れない不毛な戦いを繰り返していた。そのため、或る者は住み慣れた故郷を離れアメリカ大陸へ渡りラスベガスでアメリカンドリームをかなえ、、また或る者は火星へ移住するなど、日本社会は崩壊の危機に瀕していたのだった。ところがそんな中、ついに天下を統一した人物がいた。いや、正確には動物かもしれない。大分県の高崎山に住むニホンザル、トーキチローが、その人物である。サルは、圧倒的な腹芸で次々と諸侯を破産に追い込み屈服させ、ついにローマ教皇より戴冠され、帝王カールW世となったのだ。


 しかし、地底の底に住む魔王ムノーは
「サルが帝王だと!俺は絶対に認めぬ」
 ついに、自慢の怪物(モンスター)軍団を率いて決起!
 ところが、地上への道(オーラロード?)は開くことなく、野望は3日で潰えた。


 続いて、群馬県で農業を営む吉田大豊作さん(5)は
「日本社会が疲弊した今こそチャンス。闇の世界よ、我に力を!!!」
 恐るべき魔法により、次々と人工生物(モン・スター)を生成。そして、自らは大魔王ポトデンを名乗り、6人の軍団長に、それぞれ特色のある6種類の軍隊を統率させ
「栃木から日本を変える!」
 と宣言。群馬より、日本征服に乗り出した。疲弊した全国各地の中心商店街にいかほどの商品が残っていようとも、それは既に形骸であった。ただ黙って郊外に大型ショッピングセンターが完成していくのを黙ってみているしかなかった。


「上様、敵のショッピングセンターはあまりに強力。このままでは、日本の食卓はポトデンに支配されてしまいます。」
「慌てるな、このような時のために極秘プロジェクトを開始していたのではないか。」
 これに対し大阪の夜の帝王、カールW世は徹底抗戦を決意。天才的な腹芸能力を持つ彼は、実は事前にこの動きを察知し、30分前から極秘に大魔王ポトデンを倒すプロジェクト「まちづくり3法改正」をスタートさせていたのだ。その作戦をついに開始すべく、彼は一人の馬鹿者を呼びつけた。
「予定より20年ほど早くなってしまったが、良くぞ参った勇者ライ・デーンよ。実は群馬の大魔王ポトデンが日本を征服しようと動き出した。既に新潟、長野、富山、石川、福井、鳥取、島根、山口は敵の手に落ちてしまっている。ああ、なんたることだ。貴様は我が社の企画部長として敵の侵攻を食い止め、奪われたシェアを奪回し、大魔王ポトデンを倒すのだ!」
「無理ぽ」


 こうして日本は大魔王ポトデンの手に落ちた。


次回予告

 突如として村を襲う恐怖。立ち向かう青年。
 動き出した運命の歯車は、もう誰にも止められない。
 繰り返される惨劇、覚えていますか、永遠の愛を。


 次回「ジャズ音楽の鳴る街で」
 貴方は今、伝説の目撃者となる。


 ・・・な〜んて、適当に格好いい単語を並べておけばいいんですか、監督?



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