週刊?裏辺研究所
第28回 裏辺研究所所員によるリレー小説

第1章 HAZIME−NI
裏辺金好  やあ、皆さんこんにちわ。今回はリレー小説企画です。みんなで、順番に文章を並べてお話を作っていきましょう。
氷川雨水  了解!
馬藤永徳  裏辺研究所に載せるのは初めてですが、こういう企画は久しぶりですね。
松戸合  どうか、お手柔らかにお願いします。

*リレー小説とは?
 何行かずつ、交代で文章を書いた小説のこと。
 たいてい、お話は変な方向に流れ、意味不明な物に仕上がることで有名。

第1章 旅立ち
 時は1991年。宮沢喜一総理大臣が日本を支配していた頃、南極の昭和基地で1人の男が血と汗を流しながら働いていた。その男の名前は、マクシミリアン=三遊亭=円周率。通称MAX三遊亭である。

 彼はアドルノ〜一生を円周率の計算に捧げた男〜を尊敬し、円周率を南極の永久凍土に刻み続けることに夕食後のひとときを割いていた。現在小数点以下19687桁目まで進んでいた。実際には3桁目から計算が間違っていたのだが。

 「だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、だめだぁ〜!!!俺の求めていた円周率は、こんなちっぽけなものじゃない!!もっとこう、アバンギャルドで、アグレッシヴで、かつ公序良俗に反したものでなければならんのだぁ〜!!!」
 そう言って彼は、今まで刻み続けていた小数点以下19687桁を全てヨダレで溶かし始めた。

「ああ!この三ヶ月間、北極でのあなたと私の唯一の成果が消えていく・・・。」
 同じ北極基地で、彼の仕事を手伝っていた、バカラシイ・コト・ダイスッキが悲鳴を上げる。
 「・・・・。」
 彼女のうなだれた頭はやがてあがり・・・・。 
「おのえぇええええええ!マクシミリアン=三遊亭=円周率!この北極で。三ヶ月孤立&絶食してまで、毛布一枚でがんばった成果を・・・!かくなる上は・・・!」

 ・・・カシャ・・・チチチチ・・・
 「よ、よせ!話せばわかる!」
 ・・・・プスッ・・・。
 何も起こらなかった。
 ちなみバカラシイ・コト・ダイスッキ。ここが、物語の舞台が南極であることには気づいていないらしい。

 それもそのはず、実はバカラシイ・コト・ダイスッキはロシアから昭和基地に派遣されたスパイだったのだ。だが、彼は自分の任務、立場、置かれた状況をよく把握していなかったのだ。そのため、このような事態になってしまった。マクシミリアン三遊亭も馬鹿ではない。このバカラシイの言葉に、軽い疑念と不安と嫉妬と恋慕と恨みを即座に感じたのだった。
「貴様・・・・・本当は何者だ?」
 マクシミリアンは問うた。
 しかし、彼女(バカラシイ)はその質問には答えず、(というより答えられなかったのだが)
「ぢゃあその《アバンギャルドで、アグレッシヴで、かつ公序良俗に反した》円周率というのを言ってみなさいよっっ!!」
とぎこちないロシア語で話した。さすがはKGBも見捨てたスパイである。

 このバカラシイのチェックメイトに対し、マクシミリアン三遊亭は

「πは断じて数字などではない!!πはパイ、すなわち乳房の象徴!すなわちこれ真実!」

そう、彼はついに真実を見つけたのだ。これでもう、円周率などにとらわれることはない。
「そうだ、名を変えよう。二度と円周率など、数字などと関わらないように!。」
彼はそう言うと、バカラシイを福神漬けとして神に捧げ、自らの戸籍をマクシミリアン=3you亭=√2に変えるため、東京都台東区役所に向かって凍てつく南極海をふんどし一丁で泳ぎ始めた。

第2章 出会い 
 外はすでに暗い夜である。空にはなぜかさそり座が浮かんでいる。アンタレスの怪しい赤い輝きは、この宇宙(そら)の下幾多の人間を狂わせる。まるで断末魔の叫びをあげる、さそりの尾の毒に犯された人間のように。紅い血の星の元、マクシミリアン=3you亭=√2も自らの体を朱に染めながらいてつく南極海を泳いでいく・・・。

 その狂気の光景はアンタレスが西に沈むまで続いた。朱い星の光が消え、マクシミリアン=3you亭=√2の体からアドレナリンがひいていく。

 そして、ふと後ろに巨大な影が・・・。茂みを突きやぶる槍の一突きのように、長さ10メートルにも及ぶ八本の腕が彼のほうへのびてきた・・・。 しかし、マクシミリアンの頭の中には台東区役所しかなかった。いや、彼の五感は確かに、八本の腕の存在を捉えていた。だが、それでも台東区役所に行きたい、その一心が彼を狂わせてしまっていたのだ。彼は、のびてくる八本の腕を無視する形で、しかものびてくる腕よりも速く、とにかく泳いだ。

 だが、八本の腕もしつこかった。マクシミリアンに自分の存在を無視され、しかも自分よりも先に行くとは・・・・!。自らの存在意義を否定されたに等しかった八本の腕は、早速八つのポケットから8つの携帯電話を取り出した。そして、八つの口が八つの携帯電話に一斉に叫んだ。
 「すいません、ミックスピザ五つ」
その言葉を聞くや、マクシミリアンは泳ぎながら嘲笑した。
「この期に及んで腹ごしらえとはな。」
マックス野郎は重大なことを把握していなかった。そう、勘のいい読者ならお気づきのように、
「8+1−5=4」
である。すなわちこの時点において8本の腕+マクシミリアンの生死を賭けた壮絶なピザ取りゲームが開始されたのである。そう、全国の中学3年の50クラスを選抜、そしてクラスメイトが、『最後の一人』になるまで殺し合い、最後に生き残った生徒だけが区役所に辿り着けるという、壮絶なバトルロワイアルが。

 しかし、8本の腕はそれぞれビームライフルを構えた。8方向からマクシミリアンにビームが迫る!その時、マクシミリアンの脳裏に閃光が走り、何かの種が割れたような気がした。信じられない反応速度で全てのビームを避け続ける。

「お前らがいるからぁー!!」
マクシミリアンの頭部に仕掛けられたバルカン砲が、一つの腕を鋭く射抜く!
「次っ!」
マクシミリアンの頭部のバルカン砲(人間じゃない・・・)はもう一つの腕を捕らえた.。
「おちろぉー!」
しかし、その腕はそれを交わしてマクシミリアンに絡み付いてきた!!
「馬、馬鹿な!」
「ふ、マクシミリアン!君は良い戦闘マシンのようだが、君の仲間がいけないのだよ・・・」
 仲間だと・・・・!!
 まさか、バカラシイ・コト・ダイスッキのことか! 
 マックス野郎が、自らの身の不幸をこれほど呪った事は、過去13秒においてなかった事である。マックス野郎は怒りをオナラに変え、パワーを貯め始めた・・・。

第3章 ドクターストップ・アラレちゃん

「はい!そこまで!!」
元気の良いオヤジの声がこだました。正確に言うと、福井県立なんどかだ中学3年B’y2組担任:銀田金麻呂の声である。
「だめだめ、まだバトルロワイヤルは始まっていないよ〜。あは〜ん、今から10分後、この全国の中学3年のうち、選抜した50クラスとバトルロワイヤルをやるって、話を聞いていなかったのかね? はぁ〜、最近のオトナは・・・・・。」

 なんと、いつの間にか小生意気なガキどもが海の上に浮いているではないか!一クラス35人として、50クラスだと全部で・・・・・
「け、計算が出来ない?」
なんと、マクシミリアンは計算が出来なくなってしまっていた。
(落ち着け、微分方程式で解けるはずだ・・・・)

 完全に頭が狂っている。が、マクシミリアンも自らの異常に気がついた。こうなれば、任務を果たすしかない。
「そうか・・・MAZuは台東区役所・・・・そういうことだな」
 マクシミリアンは固く決心した。だが、彼の隣にいた山口県立襲用中学校3年@組の本多場育郎は、マクシミリアンに衝撃的な一言を放った。
「案外答えは、小倉北区にあるのかも知れない・・・」
「福岡県だと!? ならば、この台東区へのバトルロワイヤルは無駄だというのか??」
「それは知らない、だが、どのみち・・・・」

 ビ


 本多場育郎は、マクシミリアンに強力な電磁波を喰らわせた。
「うわあああ、貴様、何を?」
「残念だったなマクシミリアン。これで貴様は、少なくとも100年後にこの世を去るのだ! ワハハハハ! では、さらばだ!」
 謎が謎を呼ぶ。筆者ももはや解らない。
 しかし、マクシミリアンには100年の寿命がある。取り敢えず、泳ぐことにしよう。なぜか台東区に向かって。

第4章 ゴミ処理最終処分(ショヴン)場
 そして、マクシミリアンは、宮城県石巻市に到着した。
 台東区、せめて小倉北区に行くつもりが、海流に流されてしまったらしい。

ここで、ぜひ国民的な議論をしておかないといけないことがある。
謎1・マクシミリアンは何故計算ができなくなっていたのか?
謎2・小倉北区とは何を暗示するのか?
謎3・何故マクシミリアンは改名にこだわるのか?


が、愚民どもは考えるはずがないので、ここでマクシミリアンに考えてもらう。

 つまり、これらの謎を解く鍵は私の数字へのトラウマにあったわけだ。だから、私は円周率を乳房と解釈することによって数字との決別を果たしたかに見えたのだが、改名すべき名前の中に√2を含めている時点で数字の呪縛に囚われてしまっていたのだ。そして、

 小倉北→小倉(優子)キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!というのは巨乳キャラの否定


 すなわちπのパイとしての側面の否定=数字としての側面の肯定を表していたのだ。


 やはりカリフォルニア州に、ジョージさんは実在した!ドイツ語読みなら、ゲオルグね。 

 マクシミリアンはなにかもっと根本的な謎があるような気がしたが、それは放っておくことにした。

第5章 スペシウム鉱泉〜日本の名湯100選〜

 台東区役所にはもう用はない。自分の名前は、自分で変えてみせる。
 そのためには、イースター島が鍵だ。そう考えたマクシミリアンは、山手線でイースター島にたどり着いた。そこには、超古代文明が待ち受けていた。


 「ハアアア・・・・・・・・アアアア、ハアッ!」
 モアイは口を開くと、ドーナツ状の光線を飛ばす。
 負けるわけにはいかない。
 マクシミリアンはいつの間にか、近くに放置されいたガンダムに搭乗し、ビームでそれらを打ち落としていた。
「こいつ・・・動くぞ!」
 凄まじいドッグファイトを繰り広げるモアイ群と、マクシミリアン。戦いのさなか、マクシミリアンの脳裏に名案がひらめいた。 

 

 そうだ、僕の名前はマクシミリアン=ジー○スにしよう。そして、ゼン○ラーディ軍と闘うんだ。
 ガンダム?ダメダメ、時代はマクロス。そしてこいつは、バルキリーだ。

 「よし!」
 マクシミリアン=ジー○スはバルキリーで、眼下に広がる大海原に頭からダイビングした。そして再び姿を現し、すっくとイースター島の大地に立ち上がると、叫んだ。
「かかってこいゼン○ラーディ軍!俺が相手だ!」
 しかし彼の叫びに答えて水平線の彼方に見えたのは、モアイでもゼン○ラーディ軍ではなく「全裸D軍」だった。どいつもこいつも一糸まとわぬ裸体で、胸には赤々と”D”のマーキングがある。リーダーらしい男が叫ぶ。
「よくぞ言ったマクシミリアン!!我が全裸D軍がお前の生き血を一滴残らず飲み干してくれるWA!」
・・・どうやら”D”はドラキュラのDらしい。
「なにっ!?感覚を私から奪うというのか!?」
 マクシミリアンは生き血を「閾値」と聞いているらしい。ああ勘違い。

「そうはさせるか、受けよ、必殺!! 内戦勃発!」
 マクシリミリアンによる、全体攻撃っ!全裸D軍に、スリランカ内戦の火花が襲いかかる!

 だが、全裸D軍=読売巨人軍は一斉に反撃体制をとった!リーダーらしき男は叫ぶ。
「エジプト4000年の歴史など、我々株式会社読売巨人軍には通用しない!」

 なんと、株主の顔が見てみたい物である。は、さておきリーダーらしき男・・・ナベさんは更に叫ぶ。
「悪を助け・・・弱気をくじく・・・・行くぞ、必殺!埼●県警・神●川県警合同捜査本部!」
パーーーーーーーーーーーン!
 読売巨人軍の一斉反撃!! 
 マクシミリアンによる、スリランカ内戦の火花は掻き消されてしまった・・・。このままではヤバイ。
「やるじゃねえか、全裸D軍・・・・。だが、これを見ても俺に攻撃が出来るかな・・・?」
「ま、まさか・・・・くっ、卑怯だぞマクシミリアンっ!」

 な、なんと!! どこから手に入れたか、マクシミリアンはドラえもんを人質・・・いや、ロボット猫質にとっているではないか。

「それが、物語の主人公のすることかよ! えっ、マクシミリアンよ!」
ナベさんは叫ぶ。
「くっ・・・・ 駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目なんだー!! でも、逃げちゃう。ドラえもんを猫質に取っている限り、貴様らは俺を追いかけられないからな(舌をかんだ)」
そう、命より大事な物はない。今の彼には、全裸D軍には勝てなかったのだ。

 結局マクシミリアンはヨミウリ=全裸D軍から決別すべく、巨大戦艦マクロスに乗って地球を脱出した。

終章 こんにちは。7時のニュースです。まずはじめに

 「ヴー」
 人間界で使われないような警報が室内に鳴り響く。暗闇に太陽の光を浴びて一つの青い光の点が輝いた。高解像度のスクリーンでも点としてしか認識できないそれ・・・、故郷であったそれに対してこれからすることに、彼はなんら未練を感じない。

 彼は15年前の、全裸D軍=読売巨人軍と戦った回想からもどり、前を見つめた。
 そこは戦艦ヤマト50隻が居並ぶ、壮大な環境であった。
「私を宇宙に追い払った全ての元凶は台東区役所!。今度こそアゼルバイジャン首相型中距離ミサイルを落とさねば・・・。」
 後ろ向きに左手を上げ、それを前へ左回りにまわす。それを合図にヤマト50隻は、大きく回頭し始めた・・・。

 
 そして地球を見た時、彼の目にまず飛び込んできたのは月の南極の氷であった。
 それは彼に、突然恐怖を舞い込ませた。
「この光景に私は出会ったことがある・・・。」
 一般人である彼が、しかもこのような理科的なことになんら関心のない彼に知りようのないこと・・・。知らない場所のはずなのに知っている・・・。この事実は人を恐怖にさせる・・・・。おそらく、カップラーメンを食べるにはお湯を入れて3分待たないといけないことを初めて知ったことと同じぐらいだろう。

 そして、彼は思い出した。
 いや、そう思い込んだのかもしれない。だがいずれにせよ、彼にとってそれは確たる事実であった。自分は宇宙人である。そして、台東区役所には彼の失ったものがある・・・。今まで彼が数字にこだわったりトラウマを持ったりしたのは、すべて彼がこの世界で異質であるがために抱いたコンプレックスによるものだった・・・・。
「マッテロ、台東区役所。コノ宇宙人様ガ、必ズヤ貴様ラノ役所ヲ家宅捜索シ、俺ノ失ッタモノヲ返サセテモラウゾ」

危うし、台東区役所!
宇宙人マクシミリアンによる、戦艦ヤマト50隻の攻撃に耐えられるのか!

戦え、台東区長! 今こそ区民の税金を使う時だ!


次回、台東区長VS戦艦ヤマト! 第2
3話。
「地球侵攻! お色気たっぷり、熟女ばかりの共産党大会」
 ばっちり、ガッツリ魅せます90分!
 君は、税金のありがたさを知る・・・。

 なお、来週はプロ野球「シアトル・マリナーズVS千葉ロッテ」をお送りします。
 台東区長VS戦艦ヤマト、次回の放送は、3万年後になりますので、ご注意下さい。


棒