○ローマ:コンスタンティヌスの凱旋門

 世界遺産、イタリアの首都ローマのコンスタンティヌスの凱旋門。
 コロッセオの隣にある高さ25mの門で、ローマに数ある凱旋門の中でも最大。315年に建築されたもので、コンスタンティヌス帝(272〜337年)が、312年に行われたローマ北端のムルヴィウス(ミルヴィオ)橋の戦いで、皇位を争うマクセンティウス帝(278〜312年)を敗死させてローマに凱旋したことを記念したものです。

 しかし、当時のローマは衰退の一途をたどっており、建築資材が不足。装飾はハドリアヌス帝の建造物などから、取り外して転用するなど、荒業も多くみられます。その一方、これだけ美しい門が破壊を受けずに現在まで残っているのは奇跡。その全容が残る、凱旋門建築の古い例として非常に重要な建築遺産です。
 この円形の浮き彫りは、門の左右(側面)に1つずつ、表裏に4つずつ、計10枚あります。このうち8枚が、ハドリアヌス帝の建造物から転用されたものだとか。

 *写真は株式会社デネットが販売する「写真素材 世界遺産2世界編 ヨーロッパ」を使用しています。