5.軍用道路を通ってステパンツミンダへ


前回のダヴィド・ガレジ複合修道院は、ジョージアの南端でしたが、今度は一転してトリビシから北端へ向かい、荒野の風景から一変して緑豊かな風景を見ます。その象徴的存在なのが、ジョージア軍用道路。これは、帝政ロシアが切り開いた軍事用の街道(1799年開通)で、首都トビリシから北に続き、ロシア領の北オセチア共和国までの全長210qの道路です。


現在でもロシア領との主要街道で、美しい山岳地帯を走るため、観光道路として人気を誇ります。ただし、ロシアが事実上占領している南オセチアに隣接している紛争地帯でもありまして・・・。


こちらは、トビリシから北へ70qの地点にあるアナヌリ教会。交通の要所で、城塞の中に教会が2棟あるのがお分かりになるでしょうか。山側がイエス、湖側がマリアに捧げられたもので、1689年に建てられました。




湖畔に面した美景だが、実は人造の貯水湖。ソ連時代に造られた、ジンヴァリ貯水湖というものです。


さらに延々と北へ進み、ロシアとの国境手前、ジョージア側最後の街ステパツミンダにやって来ました。トビリシからは、約140qです。

街の背後には標高2,170mのクヴェミムタ山。それでは、山頂のツミンダ・サメバ教会までトレッキングします。




ステパンツミンダの街も標高1,700m。山頂との高低差は450mほどあります。



5,000m級の山を含むコーカサス山脈は、前日のダヴィド・ガレジとはうって変わり、緑に溢れる世界でした。気温も麓で26℃(湿度50%)。山頂は涼しく過ごしやすかったです。


クヴェミムタ山頂。


ツミンダ・サメバ教会へ。


この教会は、14世紀の創建。かなりの秘境なので、旧ソ連時代にジョージア正教が弾圧を受けた際、国内各地の教会から聖遺物をこの教会に避難させていました。


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