(11)12月29日:フォロ・インペリアーリとヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

 フォロ・ロマーノの有料エリアを出ても、何やら古い遺跡が広がっています。これは、フォロ・インペリアーリ(諸皇帝の広場)と総称されているもので、様々な時代の権力者達が市街地整備を行った場所です。

 まずは、フォロ・ジュリアーノ(カエサルのフォロ)が見えてきます。これは、紀元前1世紀、ガイウス・ユリウス・カエサルが、フォロ・ロマーノの北西部再建計画の一環で造営したエリアです。

 日が暮れてきてから、もう1枚別の場所から撮影しました。規模は75m×160mの細長い長方形です。

 また、フォロ・ロマーノの向かい側にはアウグストゥス帝のフォロがあります。

 さらにその隣、また、カエサルのフォロの向かい側に位置するのが、トラヤヌスのフォロ(写真手前)と、トラヤヌスの市場(写真奥)。

 これは、トラヤヌス帝(位98〜117年)が整備したもので、トラヤヌスの市場は、保存状態が非常によいのが特徴です。この市場は、今のショッピングセンターのような建物で、整然と店が配置され、雨の日でも濡れずに買い物が出来るようになっています。ローマ帝国、恐るべし。なお、ローマ帝国滅亡後も利用され、1200年には写真真ん中の、ミリツィエの塔が増築されています。

 トラヤヌスの市場は、半円形の形状が特徴。上層部に後世の増築も見られますが、多くはローマ帝国時代のままのようです。よく破壊されずに今まで残っていたものです。

 こちらはトラヤヌスのフォロの一部。写真右手にトラヤヌスの市場、左手にカエサルのフォロ、という配置です。

 トラヤヌスのフォロで目を引くのが、トラヤヌスの記念柱。113年に建設された高さ約40mの記念柱で、101〜102年、105〜106年のダキア遠征(現在のルーマニア)について、ローマ軍の出陣から戦闘、敵を捕虜にするシーンなどが掘られ、戦絵巻となっています。また、内部は空洞になっていて、螺旋階段を登ると上の展望台に出ることが出来る構造です。

 ズームレンズでトラヤヌスの記念柱の頂上を撮影。

 続いて見えてきたのが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂。巨大な白亜の建物で、通称「ヴィットリアーノ」。1911年に完成したもので、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世(1820〜78年)はサルデーニャ王国の国王で、イタリアを統一して初代イタリア国王になった人物です。


 雄雄しいヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の銅像がそびえ立っています。



 ここらで周辺の地図を確認しておきましょう。これまで紹介した建築物との位置関係は、こんな感じです。

 ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂が面するヴェネツィア広場。写真右手にはトラヤヌスの記念柱も見えます。また、写真左手の建物はヴェネツィア宮で、15世紀半ばに建てられた、ローマ最古のルネサンス建築。ヴェネツィア出身のピエトロ・バルボ枢機卿(後に教皇パウルス2世)のために建てられたもので、16世紀にはヴェネツィア共和国が大使館に使用。

 さらに19世紀には一時、オーストリア大使公邸になったほか、20世紀にムッソリーニによるファシスト政権時代には、ムッソリーニが2階のバルコニーから演説しています。

 このヴェネツィア宮からコロッセオまで、ムッソリーニはフォロ・ロマーノとフォロ・インペリアーリを分断する形で、広い道路であるフォーリ・インペリアーリ通り(当時は帝国通り)を建設。政権の力を示しましたが、遺跡に何ということを・・・。まあ、今では主要道路として重宝されていますが・・・。

 さて、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の脇を通ります。ローマ時代の遺跡を破壊して建築している雰囲気がプンプンと匂うのですが、どうでしょうか。

 この方によると、大変な驚きな御様子です。凄い広告だ。

 ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の裏手が、カンピドリオ広場とサンタ・マリア・イン・アラチェリ教会(写真で茶色の建物)と、カピトリーニ美術館が並ぶエリア。古代ローマ時代から由緒のある、ローマの7つの丘の1つ、カンピドリオの丘(カピトリーノの丘)に広がっています。フォロ・ロマーノも、この丘から見下ろせます。

 当日の行程では終わりの段階で内部に入ったのですが、ここで御紹介しましょう。サンタ・マリア・イン・アラチェリ教会は7世紀には建てられていたと云われ、現在の建物は13世紀から18世紀にかけて整備されたものです。一つ手前の写真を見ていただけるとわかりますが、13世紀に建てられたレンガ壁の外観は非常に質素。ならば内部も質素かなと思いきや、この壮麗さ。

 半円アーチが連続する姿も美しいです。

 壮麗な内装をもう1枚。


 そしてこちらが、カンピドリオ広場。ミケランジェロが1536年ごろに設計したものです。そして、正面に建つ建物はローマ市庁舎です。ちなみに背後にフォロ・ロマーノが広がっています。

 背後に僅かにヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂が写っているこちらは、カピトリーノ美術館。市庁舎を表面にすると左側に建つこの美術館は、創建はなんと1471年という、非常に由緒あるものです。