Mr.Sのリトアニア紀行’16 史跡編(4)カウナス


○解説

 カウナスはリトアニアのほぼ中央に位置する人口35万人の都市で、ネムナス川とニャリス川の合流点にあることから、古くから交易の街として発展しました。13世紀にドイツ騎士団の攻撃から街を守るための城壁が造られ、1441年にはハンザ同盟の都市に。

 16世紀からはリトアニア大公国の都市として発展しますが、ロシア、スウェーデン、フランス(ナポレオン軍)などの侵攻や支配を受けます。1920年にポーランドが首都ヴィリニュスへ侵攻し編入すると、カウナスが「臨時首都」となります。第2次世界大戦後はソ連が領有し、1991年にリトアニアが独立するとカウナスもその一部となり現在に至っています。

 第2次世界大戦中、在カウナス日本領事館に領事代理として赴任していた杉原千畝(すぎはら ちうね)が、ヒトラー率いるドイツによる迫害によって、ポーランドから逃れてきた大量のユダヤ人難民に対し、人道的立場から外務省(本省)の意向を無視して日本通過を可能としたビザ(査証)及び渡航証明書を発給し、欧州からの脱出を支援したことでも知られています。旧日本領事館は今も残り、資料館となっています。

○カウナスの場所


○風景


リトアニア第二の都市カウナスへはヴィリニュスから電車で90分。


カウナス駅に到着しました。


トロリーバス



3車体連接バスも走行していました。



閑静な住宅地の中の杉原千畝記念館。第一次世界大戦後、ヴィリニュスがロシア、ポーランド、ソ連の占領下に置かれたためカウナス臨時の首都となったことから、杉原氏の赴任先もカウナスでした。斜面に建っているので、正面から見ると半地下に見えます。



民家を領事館として借り上げたようです。

執務室が今も残されています。


こちらは、新市街にある聖ミカエル教会。


そこから旧市街に向かって伸びるライスヴェス通りは、1q近い並木が続きます。


カウナス旧市街
石畳に鮮やかな色彩の建物が並んでいます。


旧市庁舎
旧市街の中心にあり、18世紀の建築です。



旧市庁舎
内部はホールやギャラリー、博物館となっています。


ペルクーナスの家
1441年、カウナスがハンザ同盟都市となった後、同盟の商人によって建てられたゴシック建築。この建物は、雷神ペルクーナスの神殿跡に建てられたとされています。
リトアニアは、西欧でキリスト教化が最も遅く、ドイツ騎士団による侵攻が理由と云われています。1386に年ヨガイラ大公(ヴィタウタスの従兄、先代大公)がポーランド王女と結婚し連合国となり、翌年にキリスト教が国教化。


カウナス城
ネリス川と空堀に囲まれており、元は四隅に塔と円形の出丸がある菱形城壁を備えましたが、現在は一隅しか残っていません。

カウナス城
元々はこのような縄張り。


カウナス城
13世紀にドイツ騎士団の侵攻に備えて建築され、何度も攻防戦の舞台となりました。

カウナス城
展示されている出土品


カウナス城
地下牢の奥には幽霊が映し出される仕掛けもあります。

ヴィリニュス空港駅
カウナスを見た後ヴィリニュスを再度観光し、帰国しました。

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