27.アントワープのノートルダム大聖堂とその周辺

 それでは、アントワープを散策してみましょう。ここもトラムが多く走っており、あちこちで姿を見かけることができます。

 まずやってきたのは、ノートルダム大聖堂。1352年に着工し、実に180年以上もの歳月をかけて完成・・・というか、資金不足で1535年に建設を終了しました。複数の塔を建てるつもりが、1本だけになったとはいえ、123mの鐘楼は非常に印象的です。

 また、ノートルダム大聖堂が面して建つ上写真のグルン広場には、1843年に建てられた画家・ルーベンスの像があります。ピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640年)は、アントワープで大規模な絵の工房を経営し、数々の作品を夜に送り出して高い評価を受けました。一時は外交官的な働きをしていたときもあったとか。

 また、グルン広場に面するヒルトンホテルは、20世紀初めのベルギー最初のデパートの1つ、グラン・バザールのファザードを保存して活用しているもの。

 こちらがノートルダム大聖堂の正面。早速入りたいところですが・・・。

 聖堂の正面に、ちょっと分かり難いですが、フランダースの犬の碑があります。

 今の子供達には知名度が低いかもしれませんが、私が子供の頃にはアニメや絵本などでも読んだメジャーな作品。イギリスの作家ウィーダが1872年に書いた児童文学で、主人公のネロ少年が貧しさの中、このノートルダム大聖堂にある、憧れのルーベンスの絵の前で愛犬を固く抱きしめたまま亡くなっているのが発見されるのがエンディング。

 ベルギーでは無名に近い作品ですが、とうとう2003年にトヨタの寄附で記念碑を造ってしまいました。

 それでは内部に入ってみましょう。聖堂内部は、ネロ少年が憧れたルーベンスの名画を始め、数々の素晴らしい絵画が展示されており、美術館の雰囲気もあります。その一部をご紹介しましょう。

 まずは、ルーベンスの3つの作品から。こちらは、「キリスト昇架」。1609〜10年の作品です。

 絵画の左側をアップ。人間の表情が素晴らしい・・・。

 同じくルーベンスの「聖母被昇天」。1626年の作品で、聖堂の正面奥(3枚前の写真の真ん中奥)に飾られています。

 「聖母被昇天」が飾られている場所から、入り口方向を撮影。

 「聖母被昇天」の遠景。

 同じくルーベンスの「キリスト降架」。1611〜14年の作品です。

 その他の作品は、詳細を調べるのが大変なので、とりあえず貼り逃げしておきます。


 こちらは、Our Lady of Antwerp という16世紀の作品のようです。

 さて、ノートルダム大聖堂を出て、近くにあるグローテ・マルクトという広場へ。大聖堂と並び、アントワープを代表する光景で、様々な形のギルドハウスが軒を連ねるほか・・・。

 1561〜64年にかけて建てられた市庁舎があります。均整のとれたプロポーションで、美しい。

 市庁舎の前には、「ブラボーの噴水」が。
 と言っても池があるわけではなく、像から水が湧き出しているのですが、手を投げようとしているのが特徴的なデザイン。これは、スヘルデ川の川岸の城に住む巨人ドルオン・アンティゴーンが、河川を通行する船に通行税を課し、従わない者の手を切り取って河へ投げ捨てていたことに対し、ローマの戦士ブラボーがアンティゴーンを倒し、同じように手を切り落として河へ投げ捨てた、という伝説に基づくもの。

 広く信じられている説として、アントワープ(アントウェペン)の地名の由来が、handwerpen(hand 手 + werpen 投げる)であり、この伝説が元になっている・・・というものがあります。ただ、学術的にはラテン語「antverpia」に由来するとか・・・が有力だとか。まあ、細かい話は省略します。

 市庁舎の前からノートルダム大聖堂を撮影。こうやって見ると、その高さがよく分かります。

 グローテ・マルクトの風景をもう少し。

 屋根の形が、たまらないですな!

 レトロ調の周遊バスみたいなのがやって来ました。さて、引き続いて周辺を色々散策していきます。