Mr.Sのスロヴェニア紀行’17:洞窟城(プレディヤムスキ城)



○解説

 ポストイナの街から山を越え谷を越え約10q。洞窟城に到着。背後は120mの岩山、下は深い谷川という、いかにも堅固な立地。洞窟城と呼ばれる理由は、この城が岩山にある洞窟を塞ぐ形で建てられていて、現在も建物の奥から洞窟に繋がっているため。洞窟は全長13qもあるとか。


 こちらの城内の解説にあるように、12世紀に洞窟の入口に最初の建物が建てられ、16世紀までに徐々に手前に建て増しされていきました。

 この城には、15世紀にハプスブルク家と戦った騎士エラスムスにまつわる伝説があります。ハプスブルクの軍勢はエラスムスをこの城に追い詰めますが、守りが固く攻めあぐねて兵糧攻めを試みました。しかし、エラスムスは背後の洞窟を使って食料を運びこみ、展望台で優雅な食事をしてみせて軍勢を挑発。

 半年かかっても城を落ちませんでしたが、包囲軍は城の召使を買収し、エラスムスが展望台に向かう際に、城外へ合図を送らせます。すると投石機がエラスムスを狙い撃ちにし、ついに命を落としました。

○場所



○風景






城は岩山に貼りつくように建てられ、城内の通路は片側が岩壁になっています。



湿気と冷気で居住性は悪いとか・・・。

各部屋ではマネキンや家具で中世の生活を再現しています。

案内人も中世の服装をしています。

城内の最高所である展望台に通じる階段。その入口には、投石機で撃ち込まれたという石弾が置かれています。






城内には拷問部屋もあり、マネキンが吊るされています。

城の最奥部には、洞窟城の由来となった洞窟があります。洞窟といっても水平に伸びるのではなく、入口から奥に向かって斜め上に伸びており、奥に行くには延々と階段を登っていくことに・・・。


洞窟の入口(橋の先)

入口から奥を見上げた様子

奥から入口を振り返った様子。登っていく途中には何段かの平坦地が作られていて、鍛冶等が行われていたようです。

通常の見学コースの最奥部には井戸があり、この洞窟だけでも籠城が可能。柵で塞がれた奥にも階段があり、その先の600mを探検するツアーもあるそうです。

 余談ですが、ジャッキー・チェン主演・監督「サンダーアーム/龍兄虎弟」(1986年製作/香港)では、洞窟城がロケ地の一つになっており、邪神教団の本拠地として登場。映画を見る限り、撮影に使ったのは外観等だけで、「城に入ってから」のシーンはほとんどセットのようですが。



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