クラス508 

British Rail Class 508


マージーレール(ME)のクラス508/1。当初は4連として製造されたが編成組み換えで短縮された。
(撮影:ベビングトン駅、Bebington Station)

●基本データ

デビュー年 1978年
最高速度 120km/h
製造会社 イギリス国鉄鉄道工学部門ヨーク工場 (BREL York)
運行会社 マージーレール(Merseyrail, ME)
運行区間 ウィラル線(Wirral Line)
●ニュー・ブライトン(New Brighton)〜リバプール・ライム・ストリート(Liverpool Lime Street)〜ニュー・ブライトン
●ウェスト・カービー(West Kirby)〜リバプール・ライム・ストリート〜ウェスト・カービー
●エルズミア・ポート(Ellesmere Port)〜リバプール・ライム・ストリート〜エルズミア・ポート
●チェスター(Chester)〜リバプール・ライム・ストリート〜チェスター

ノーザン線(Northern Line)
●ハンツ・クロス(Hunts Cross)〜カークビー(Kirkby)
●ハンツ・クロス〜オームスカーク(Ormskirk)
●ハンツ・クロス〜サウスポート(Southport)
編成詳細

製造当初
クラス508 4連x43編成

現在
クラス508/1 3連x27本

クラス508/2 3連x12本のうち9本廃車(運用無し)
クラス508/3 3連x3本廃車


●マージ―サイドを支える通勤型車両

 クラス313を始めとした英国鉄の「1972年デザイン」の一車両で、四番目に開発された車両。イングランド南東とロンドン近郊で当初は運用されていたが現在はリヴァプール近郊でマージーレールの元でクラス507と共に第三軌条ネットワークを担っている。保有会社はエンジェル・トレインズ社(Angel Trains)

導入背景、イングランド南東で始まった人生
 当初はクラス508/0と呼ばれる4連x43編成が製造され、元々はリヴァプール近郊で運用されるはずだったが導入計画が見直され、ロンドン南部近郊で運用されるほうが適切とされた。製造予定数は58編成だったが国鉄の予算削減の影響を受け43編成に減少。それから数年は各駅停車運用に使われたが、クラス455の導入が始まると本来運行するはずのリヴァプール周辺の路線に移ると同時にクラス508/1に改称。この際、4連だった各編成から付随中間車1両を抜きクラス455/7に組み込み、それ以来3連で運行されている。

民営化後の動向、廃車の発生
 国鉄民営化の際には全編成がマージーレール(ME)に引き継がれたが、1996年のダイヤ改正時に12編成が当時イギリス南方の運行会社であったコネックス・サウス・イースタン(Connex South Eastern)に転属。名称をクラス508/2に改め、編成が不足していたクラス466と共にケント州内のローカル線で使われていた。2006年にサウスイースタン(Southeastern)に運行が引き継がれたが、徐々に他の車両に置き換えられ2008年には全12編成が運用から外れ、ドニングトン車両基地で一時期保管されていた。

 2003年にはロンドン環状線の一部路線を担当していたシルバーリンク(Silverlink)にもクラス508が3本転属し、ロンドン・ユーストン〜ワトフォード線でクラス508/3という形式名で運行していた。しばらくの間クラス313を補佐する形で運用されたが、クラス378の導入で運用から外れる。この3編成も車両基地で保管されていた。第三軌条直流750V専用という制限から運用するのに難がある列車であるため、なかなか引き取り手が現れず、結局2013年にクラス508/2は9編成、クラス508/3は全3編成廃車となった。残りの508/2は変わらず車両基地で保管されている。

リヴァプール近郊で余生を送る
 ME所属の編成は2002年から2005年にかけてアルストムが大幅な改装を行い、防犯カメラとLED表示が設置されたり、先頭車のデザインが変更された。座席も元々は低い背もたれのもので3+2列の配置だったが、2+2列に変更され座席も更新され、自転車や身体障害者用のスペースも確保されている。現在クラス508は現役車両の中でかなり古い部類であり当初は2014年頃に引退する予定だったが上記のリニューアルが施され置き換えは延期。クラス507と共に2020年代前半まで活躍する予定である。

クラス508の仕様
 Mc-T-Mcの3両編成の構成で片側の先頭車にコンプレッサー、もう片側にバッテリーが備わっている。登場時はクラス313と同様の前面で当時の国鉄のコーポレートカラーである紺色と白のツートンカラーに塗られていたが、民営化に際して更新。車両前面のデザインもクラス317/7にも見られるシャープな形状に変更された。

(解説・撮影:秩父路号、2016年3月更新)

●ギャラリー


クラス507と同じく現在のラッピングは片側がオレンジ色ベース、反対側がグレーベースとなっている。
(撮影:ポート・サンライト駅、Port Sunlight Station)



車内は2+2列配置。普通車のみで一等席はない。


サウスイースタンが運用していた頃のクラス508/2。
(撮影:ロンドン・ブリッジ駅, London Bridge Station)


旧コネックス・サウス・イースタンのクラス508/2。
(撮影:ロンドン・ブリッジ駅, London Bridge Station)


コネックスとサウスイースタン編成の車内。3+2の低背もたれ仕様。


シルバーリンクに運用されていたクラス508/3。
(撮影:サウス・ケントン駅, South Kenton Station)


シルバーリンク編成の車内。国鉄時代のネットワーク・サウスイーストの標準モケットが残っている。

●参考文献・ウェブページ

・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2
Wikipedia: Class 508
Angel Trains: Class 507/508

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