ナイト・リビエラ 

Night Riviera


深夜のロンドン・パディントン駅で待機するナイト・リビエラ。

●基本データ

デビュー年 1983年
最高速度 150km/h
運行会社 ファースト・グレート・ウェスタン (First Great Western, FGW)
運行区間 ロンドン・パディントン(London Marylebone)〜ペンザンス(Penzance)
編成詳細

クラス57/6ディーゼル機関車 x4機
マーク3寝台客車 x10両
マーク3座席客車 x8両


●西の海岸リゾートへ向かう寝台列車

 寝ながら移動して、朝目的地に着く。そういうコンセプトがヨーロッパ中に人気を呼び、イギリスにも19世紀後半からは寝台列車が運行され始めた。でもイギリスの国土面積は日本の3分の2で、日本のように細長くないことから、寝台列車の需要はあまりなかった。そのため、ヨーロッパ大陸の国々は国際寝台特急網を広げていったが、イギリスにはそれができずに、夜行列車は今ではたった2本にまで減少している貴重な存在である。

 そのうちの一つが、このナイト・リビエラ。ロンドン・パディントン駅から南西地方の果て、ペンザンスまでの320マイル(約520km)を8時間かけて走破する。これは東京から京都までの距離だが、走行時間を延ばすために最短路線を走らず、さらに一時間ほどの運転停車も含まれていることから、いかにイギリスが狭いか分かる。

 かつてこの列車ではモトレール(列車に車を載せて、乗客と一緒に目的地へ送る)のサービスも行っていたが、利用者減少により2005年に廃止された。車両の老巧化も進み、一時は列車ごと廃止されるのではと噂されたが、運行会社のファースト・グレート・ウェスターン社(First Great Western)が20万ポンド(約4000万円)の大掛かりな改装を行い、新車同様に若返った。

 車両構成は機関車+客車6両で、3両座席車、3両寝台車となっている。寝台車のほうは一番安い切符で運賃+部屋代で一室50ポンド(約1万円)。シングルデラックス並の設備やアメニティ・キット、更には無料の朝食がついてくる。

(解説・撮影:秩父路号、2015年6月更新)

●ギャラリー


リニューアルされたクラス57/6を先頭にロンドン・パディントン駅からの出発を待つ。

FGW社とナイト・リビエラのロゴ。

ベッドが線路と交差するように設置されているので、通路は若干狭い。床の非常事態用の誘導光も常に点灯。。


一人部屋の様子。


室内は洗面所も完備。後ろの窓もシャッター付。
窓上の棚にはウェルカム・ドリンクのミネラル・ウォーターが置いてある。


座席車のビュッフェは営業していないが、翌朝の朝食の準備に使用される。


座席車は一等車仕様で2+1配置。


無料で雑誌とアメニティ・キットがついてくる。内容は石鹸、シャンプー&リンス、剃刀と髭剃りクリーム、歯ブラシと歯磨き粉、ガーゼ、スポンジ、耳栓、目隠し、ティッシュ、お手拭、縫い針と糸。


モーニング・コールのサービスもあり、朝食も無料で配られる。


ペンザンス駅でのナイト・リビエラ。これから車両基地へ戻り、夜またロンドンへ戻る。

↑ PAGE TOP