FS 中距離中央扉客車(MDVC)


MDVC客車の微流線型制御車。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1979年(運用開始は1981年)
保有会社:FS(トレニタリア)
最高牽引速度:160 km/h

●解説

 Carrozza MDVCとは「Carrozza Medie Distanze Vestiboli Centrali」の略で、直訳すると「中距離中央扉客車」となる。中距離列車用に設計され、ドアが客車の中央寄りに設置された事からこう呼ばれている。以下MDVC客車と表記する。ちなみに同じ用途でドアが車両端に設置されたMDVE客車も存在する。

 1970年代後半にイタリア国鉄が中距離・地方幹線用の客車として構想されたのがMDVC客車である。1981年から運用開始され、合計で1408両製造された(制御車305両、二等車853両、一等・二等車250両)。制御車の前面スタイルは二種類存在し、貫通扉付の平たい食パン型と微流線型がある。

 内装はコンパートメント式ではなく集団お見合い式となっていて、中央寄りの扉により乗客の昇降が素早く行える。元々は中距離列車の運用に入っていたが、新型車両に置き換えられ現在は地方線の鈍行列車などに使用されている。1990年代後半には空調設備も設置され、2009年からはMDVC、MDVE客車のリニューアル工事が行われるため、当分先は現役だろう。
(解説:秩父路号)



●バリエーション


MDVC客車の食パン型制御車。
(写真:ローマ・ティブルティーナ駅/撮影:裏辺金好)

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