
| ○はじめに |
アメリカ合衆国大統領選が始まる前に、いつかこの特集をやろうと考えていたところ、気が付けば明日が大統領選挙になってしまいました(そんな今日の日付は2004年11月1日)。世界中が注目を集めるこのアメリカ合衆国大統領選挙。候補者選びなど、イマイチ私たちには解らないところも多く、そこで大慌てで取り上げたいと思います。
| 1.まず、押さえておきたいツボ |
まず最低事項の確認ですが、アメリカの大統領選挙は4年に1度行われます。
それから、被選挙権、すなわち立候補できる年齢は35歳以上でアメリカ生まれのアメリカ人。
さらに14年はアメリカに居住していないといけません。
また、大統領には1度しか再選できません。つまり、2期8年が最長。ただし、これは第2次世界大戦中にフランクリン・ルーズヴェルトが慣習を破って4選もしてしまったから定められた規則で、必ずしもそれ以前の大統領に当てはまるものではありません。
一方、日本と違って選挙権・・・すなわち投票する権利は黙ってもらえる物ではありません。
市町村の選挙事務所に行って有権者登録をしないと、その権利を得られないのです。
さてさて。
大統領選挙では、主に共和党と民主党がぶつかりますが、ごくごく希に強い第三勢力が出ることもあります。
例えば、フランクリン・ルーズヴェルトの叔父、セオドア・ルーズヴェルト大統領(1858〜1919、在任1901〜1909年)は大統領引退後、次のタフト大統領に不満を持ち、三度大統領になるべく活動をしますが、所属する共和党で大統領候補者として指名されずに、「革新党」という新政党を旗揚げ。ここから大統領選に出馬します。しかし、国際連盟設立などでお馴染みになる、ウィルソンに敗北してしまいました(ちなみに、1916年には革新党を解散し共和党に復帰。1920年の大統領選を狙う立場になります。しかしアマゾン旅行中に熱病にかかり、これの後遺症で亡くなりました)。
とまあ、例外もありますし、殆ど話題にならない候補者も出てきますが、一般的には共和党VS民主党の争いが注目されるのです。
| 2.候補者選び |
さて、日本の首相選びと違って特異なのは、政党の党首=大統領、と言うわけではないんですね。
ですから大統領選の前に、各党が「誰を候補者として擁立するか」というのを決めないといけません。
それも、中央で勝手に決めるのではなく、各州で予備選挙をやってしまうのが特色です(ただし、アイオワ州・ノースダコタ州等は党員集会による合議で誰に何票入れるか決定)。これが、2月頃から6月ぐらいまで、各州ごとにバラバラに実施されていきます。面白いのは民主党の候補者だったら、民主党員しか投票できない州もある一方で、ウィスコン州・ルイジアナ州など15の州では「オープン・プライマリー」と言って、他党の党員や無党派でも投票できるようになっている点。お邪魔虫(笑)を入れることで、より強い候補者が選べるようになっている、と言うことなんでしょうね。なにしろ当然、共和党員だったら、民主党の弱い候補者に投票しようとするでしょうから。
そして中でも、予備選が集中する日というのがありまして、これをスーパーチュズデーと言います。
まだ予備選が終わっていない場所に与える影響は大きいですので、ここは正念場です。
こういう状況下で、各党の候補者達は全国を遊説し、自分への支持を獲得しなければなりません。いやはや、非常に大変・・・。実際、この途中で資金不足や他の候補者との提携、昔の悪い噂が流れる、などによって脱落する候補者も出てきます。
さらに、7月〜8月には各党それぞれが全国党大会を開き、ここで正式に候補者が決定致します。
もちろん予備選挙の結果が反映。というのも、予備選挙というのは、全国党大会で候補者を選ぶ権限のある代議員を選ぶんですね。各州ごとにその数は決まっています。ただし、共和党と民主党では、その代議員の獲得方法に違いがあります。
共和党の場合は各州で得票率1位となった候補者は、そこに定められている代議員を全て確保できます。大統領選挙そのものも、この仕組みをとっていますね。すなわち、勝者独占方式。一方、民主党の場合は、予備選挙で得た各州ごとの得票率に応じて、その州に割り当てられている全国大会で候補者を決める権限のある代議員の数を獲得することになります。
ちなみに、日本と違って全国党大会が開かれるのはこの時だけです。
| 3.候補者激突 |
そして、各党の候補者が決定すると、テレビなどのメディアで討論を行っていき、この中で有権者は誰に投票するかを決めることになります。なにしろ最近の大統領選挙の投票率は、意外と50%〜60%ぐらいですからね。民主党員だからと言って、必ずしも民主党の候補者に投票に行くとは限らず、さらに棄権という選択肢を使うかも知れません。ですから、それぞれ党員の数そのものが大統領選挙に影響するわけではなく、少しでも相手よりも自分の党員の票固め、無党派層の取り込み、場合によれば他党の党員からの支持のため、頑張らないといけません。
テレビ討論と言えば、最初に行われたのがケネディVSニクソンの争い(1960年)。
ブラウン管を通じた清新なイメージ造りに成功したケネディが、汗をかいていたニクソンに勝つことになりまして、以後、候補者も身だしなみや身のこなしに気を遣わないといけなくなりました。そのケネディ大統領だって、実は体はボロボロで、今のように四六時中マスコミを通じて自分の姿が配信される世の中だったら落選していたとも言われます。また、この討論ではラジオを聞いていた人はニクソンの方が演説が上手かった、と言う人が多かったのも有名なお話。
| 4.では、選挙の本番 |
| 5.もしも誰も過半数をとれなかったら? |