段ボールって何だ?


○解説

 ネット通販の一般化もあり、私たちの生活に欠かせない存在となった段ボール。でも、そもそも段ボールとは何でしょうか?
 今回は、その定義や歴史、様々な種類などについてご紹介します。

○段ボールの定義

 環境省によるプラスチック製容器包装及び紙製容器包装の分別基準の運用方針にて、「段ボール製容器包装を構成する段ボールとは、JISZ〇一〇八にその定義があり、波状に成形した板紙(「中しん」といわれる。)の片面又は両面に板紙(「ライナー」といわれる。)を貼り合わせたものをいう。」とされています。ちょっとこれだけでは何のことかわかりにくいので、写真で見るとこうなります。



 こちらは両面段ボールの例ですが、波形に成形した中しん原紙の片面又は両面にライナが貼ってあるものが段ボールです。なお、中しん原紙及びライナーには、板紙(木材パルプ、古紙などを利用して製造した厚い紙の総称)が使用されます。
 ちなみに、断面を見ると空洞があるにもかかわらず非常に頑丈なのは、この三角形が連なった形のトラス構造のおかげです。

○段ボールの種類


 さて、一口に段ボールと言っても色々な種類があります。まず、上写真は片面段ボール。1枚のライナの上に中しん原紙を貼り合わせています。

 こちらは先ほども登場した両面段ボール。一般的に目にするのはこの形ですね。 

 複面両段ボール。重量物の包装や壊れやすいものを運搬する際に使われます。

 複々面両段ボール。木箱で包装するような大型の重量物を運搬する際に使われます。かなり強力ですね。

 さらに、この波型の部分の形状をフルート(flute)と云うのですが、この違いで次のように区分されます。

段の種類 段の数 30cmあたり 段の高さ 主な用途
Aフルート 34±2 約5mm 比較的軽い物(野菜や果実など)
Bフルート 50±2 約3mm 缶詰類、びん詰類の包装
Cフルート 40±2 約4mm 比較的軽い物(Aフルートより薄いので特に欧米で多用)
Eフルート 80以上 約1mm 個装用・内装用
Fフルート 120以上 約0.7mm
Gフルート 180以上 約0.5mm

○段ボールの歴史

 さて、段ボールは元々19世紀(1856年)のイギリスにて、シルクハットの内側に波状に折った厚紙を入れたのが原型。通気性、クッション性に優れた素材で、これはE.C.ヒアリーとE.E.アレンが特許を取得しています。

 1871年にはアメリカにて、A.Lジョーンズが紙に段をつけただけの“繰りっ放し”の特許を取得。要するに中しんだけの状態で、石油ランプ等、ガラス類を包装するようになります。さらに1874年にO.ロングが、中しんの片側にライナを付けた片面段ボールを開発し、特許を取得しました。さらに、1882年にはR.H.トンプソンが、両面段ボールを考案し特許を取得するなど、包装用の段ボールは主にアメリカで発展していきます。

 日本では1909(明治42)年、三盛舎(後に三成社、現在のレンゴー株式会社)の創始者である井上貞治郎(当時28歳)が輸入段ボールが高価であることに目を付け、国産化にチャレンジ。2か月間の試行錯誤の末に成功し、「段ボール」と命名しました。それまで物資を運ぶ際には木箱を使っていましたが、第一次世界大戦に伴う特需や関東大震災における復興需要、戦後の物資の不足や朝鮮戦争の特需などを経て、段ボールは一気に普及。

 1975(昭和40)年に日本で一年間に生産された段ボールの面積約60平方メートルでしたが、2018(平成30)年には約140億平方メートルに。なんと、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の合計の面積で、世界第3位です。もっとも、世界1位である中国は約700億平方メートルなので、大きな差があります。

【参考文献・サイト】
モノ知り学ノススメ 第一巻 日刊工業新聞社
全国段ボール工業組合連合会ウェブサイト https://zendanren.or.jp/
レンゴー株式会社ウェブサイト https://www.rengo.co.jp/index.html
王子工営富士株式会社ウェブサイト http://www.oji-kouei-fuji.co.jp/index.html

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