CD-Rを長期保存せよ。

担当:裏辺金好
 

○はじめに
 日経パソコン2002年3月号を読んでいたら、CD−Rについての記事が。
 それを元に色々補足しながら御紹介するのが、この長期保存をするには?という企画です。

 といっても、まあ知っている人は知っていますし、最近では、パソコン店に行くとCD−Rの解説もおいてあったりしているします。そう、実はCD−Rには、色々種類があって、それによって色々違いがあります。ところが、パソコンオタクの佐都副所長が「え?CD−Rに種類があるの?」と言ったことから、案外知らない人も多いかも、というわけで、今回は、CD−Rと長期保存の関係についてです。

1.CD−Rの構造とは?
 まず、CD-Rの構造からご説明。
 CD−Rは、表面よりラベル面保護層反射層有機色素、それからデータが記録されるポリカーボネイトの4層に分かれています。このうち、CD-Rの寿命を特に左右するのが、有機色素。一般に熱や光に弱く、溶け出すとポリカーボネイトを駄目にしちゃうわけです。

 さて、この有機色素の違いによってCD−Rを分類することが可能なわけです。

1.シアニン系
 こいつは、CD-R登場時から使われている、最も実績のあるタイプ。現在では、太陽誘電がよく使っている。というか、安物系がこれにあたる。今となっては、あまり熱や光に強くないので長期保存を目指す人には余りお勧めできません。

2.フタロシアニン系
 漢字変換したら、蓋ロシア人系と出てきた〜。
 って、それはさておき、シアニンの弱点である熱と光への弱さを強化したタイプ。大抵のCD-Rはこれを使用しています。

3.アゾ系
 三菱化学が開発。ゆえに、三菱化学のCD−Rはこれを使用しています。あの、青と緑色の入り交じったような色の奴です。フタロシアニンよりさらに熱と光の耐久性を増しているそうですが、それにしては他の会社が追随する動きは余り出ていません。ただし、DVD-Rには使用されています。

 てなわけです。広島に本社をおく、大手家電量販店デオデオの説明と、日経パソコンと私の見解をごっちゃにして書いてみました。なお、日経パソコンでは、諸条件を考慮すると、どれも大して違いはないと書いています。

2.じゃあ、何が大切なのさ
 結局、気をつけないといけないのは、高温や強い日光の当たるところにおかないこと
 そしたら、50年は持つらしいです・・・試算では。

 また、今はやりの、直接CDに印刷可能なプリンタブルCDや、またラベルを貼ったCDは余りお勧めできないとか。さらに、最近のCD-Rドライブは、主流となりつつある700MB(音楽なら80分記録)の作成に最適なように設定されているそうで、なるべくなら700MBのCD-Rを使った方がよいそうです。

 それから、当然だけど36倍速なんて無茶して焼かないこと。
 外国メーカーの10枚300円のようなモノは使用しないにこしたこと無いそうである。日本のメーカーが一番だってね。

 さらに、容量のぎりぎり限界まで焼くのは危険だとか。また、CD-Rを焼いている時は、同じパソコンで他の仕事をしたら駄目。まあ、やる人はいないと思うけど。ちなみに、1990年に登場したCD-Rですが、当時のそれは今でも読めているらしいです。しかし、裏辺所長の友人である桜乃さんは2年でデータが消えたという・・・。う〜む、どうなのかなあ。少なくとも、粗末に扱えば、あっという間にデータが消えることは間違いないです。

3.折角なので豆知識
 ・CD−ROMとは、Compact Disk Read Only Memory の略である。

 ・CD、今では80分なんて事も可能だったが、元々は74分。これは、CD規格作成当時の大賀典雄ソニー副社長と、偉大なる指揮者、故・ヘルベルト・フォン・カラヤンが、ベートーベンの交響曲第9番が収録できる時間を主張し、この長さにおちついたから。この時、ライバル会社のフィリプス社は価格と技術の面から、60分を主張していたのだが、カラヤンの主張が効いたらしい。ゆえにカラヤンはソニーで崇拝されています。これ、1980年のことです。

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