衆議院解散!万歳と言うのは何故?

担当:裏辺金好

1.はじめに

 「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する!」
 「万歳〜! 万歳〜! 万歳〜!」
*総立ちになって、大きく腕を上げてバンザーイとやっております。

 万歳と言えば、どうも「マンセー!」と叫びたくなる裏辺所長でございます、こんにちは。
 2012年11月16日。
 民主党の大敗が予想された衆議院選挙前の解散でも、議員のセンセ達は毎度お馴染みのこの言葉を言ってくださいました。しかし、解散=衆議院議員失職だというのに、いったい何で「万歳!」などと悠長なことを言っていられるのでしょうか。

 今回は、そんな解散と万歳の理由と歴史です。

 

2.まずは万歳の理由

 万歳をする理由から。
 結論から申しますと、ただの慣習だそうです。敢えて理屈を付けるのであれば、「出陣式の万歳」といったことだそうで、これをやることで国会に戻れるジンクスなんだとか。また、ついに隠居生活に入っている大物政治家の、中曽根康弘元首相は「明治憲法下、(解散の詔書を包む)紫のふくさに象徴される天皇陛下に万歳というのが始まり」と講釈し、「クビになり(選挙という戦場に)万歳、突撃すると気持ち」と・・・・自己流の解釈をなさっております。2005年8月の解散では、とても万歳と言えるような状況でない方が大勢いらっしゃったとおもいますが、さてさて。

3.そんな衆議院と万歳!の歴史
 では、一体何時、このような慣習が成立したのでしょうか。
 そもそも、「万歳!」とは中国の皇帝を称える言葉で、明治時代になって日本に定着しました。1893(明治22)年、大日本帝国憲法が発布されることを記念して、皇居前で(東京)帝国大学の学生などが明治天皇の馬車を排し、「万歳! 万歳!」としたのがはじまりです。ちなみに、本来の段取りは「万歳! 万歳! 万々歳!」と言うことになっていました。しかし、後の首相で、この時に旗手を務めた若槻礼次郎によると、一番最初に「万歳!」と言ったところ、馬が驚いてしまい、すると人間も驚いて2回目の「万歳!」の声がトーンダウン、さらに3回目に言うはずだった「万々歳!」はついに言えずじまいに終わったそうです。

 こうして、万歳三唱の時に「万々歳!」で締めくくるという最初の案は消え、なぜか、以後は「万歳×3」となります。
 いずれにせよ、こういう起源で万歳という習慣がはじまり、記録によると明治30年の第11回帝国議会解散時、議長が天皇陛下の詔勅を読み上げた際、議場内に「拍手起こり、万歳と呼ぶものあり」というわけで、これ以後、衆議院解散の時に景気づけで言うようになったのではないかと思われます。

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