カメラについて語ってみる(14) カメラの名称について語ってみる
        
        
         おひさしぶりです、七ノ瀬です。そして2004年の始まりです。2004年最初の原稿が、あまりにも遅くなったため、「明けましておめでとう」の挨拶もなしに始まってしまいました(笑)
         個人的なことですが、この1月の成人式に参加してきました。地元の式に出席したのですが、市の合併後初めての成人式でした。高校のときの友人に会うこともでき、とてもよい時間だったと思います。
         さて、今回は「カメラの名称について」です。
        
        
         物につけられた名前に、無意味なものはありません。もちろんのこと、カメラにつけられた名称にも、さまざまな意味があります。
        
        CANON EOS-1Vを例にとって見ると、 
        
 CANON・・・会社名
           EOS・・・・・CANON製のAF一眼レフカメラシリーズの総称
           1・・・・・・CANON製のカメラの中のフラグシップ(最高級機)につけられるナンバー
           V・・・・・・Visionの略。未来像、洞察、先見などの意味を持つ単語。また、初代フラグシップであるF-1から数えてX(=5)番目のフラグシップであるという意味もかねている
        という意味を読み取ることができます。
          
          また、Nikon Fも、
         Nikon・・・会社名 
           F・・・・・Reflex(=反射)のFの文字。本来は頭文字である「R」を用いたかったが、言語によって読み方が大きく違うため、比較的発音の似ている「F」を用いた。
        という意味があります。
          
           NikonのカメラのFのあとに続く数字の意味は、
           ・ 一桁・・・・・・・フラグシップ。現在F5が最新のフラグシップ機である。(※原稿執筆当時)
           ・ 十桁、百桁・・・・ミドルクラス。現在はF80、F100がある。
           ・ F以外の文字・・・エントリーモデル。Nikon U(=ユー)、U2、Usが販売中。
           です。
          
        
        
         会社名にも、いろいろなものがあります。
         
CANONは「
観音」が「
クワンノン」→「
キャンノン」→「
キャノン」になったそうです。
         
Nikonは、「日本光学」が省略され、「ニコン」となりました。また、ニコンが供給しているレンズを
Nikkor(=ニッコール)といいますが、これは会社名である「ニコン」と、「日光(=ニッコー)」から来ているそうです。
        
         中判カメラでは、
ZENZA BRONICA(会社名はBRONICA)がユニークな由来を持っています。「
善三郎のカメラ」または「
善三郎のブローニーフィルムカメラ」から、「ZENZA 
        BRONICA」と名がついたそうです。善三郎というのはこのカメラの発案者です。発表まで名称が決まらず、発表日の朝、社員が会社に来てみると、「ZENZA 
        BRONICA」と落書きがあり、そのまま名称として使うようになったという逸話も残っています。
        
         最近では、ほとんどの会社が社名に横文字を使っています。海外市場への進出には、アルファベットのほうが有利だという話を聞いたことがあります。ここでちょっと、現在の社名と昔の社名をあげてみましょう。
         
        
MINOLTA(現コニカミノルタ) → 千代田光学
        
PENTAX → 旭光学
         
         そういえば、
コニカも「
小西六兵衛店」を「小西六本店」と改め、その後「コニカ」と改称したそうです。
         それぞれの会社の歴史は、年鑑などで見ることができます。いろいろと調べてみるのも楽しいですね。 
        
        
         中村陸雄さんという方が書かれた
『ソビエトカメラ党宣言』という本の、「ゾルキー4」の章の中で製造会社の「
クラスノゴルスク機械工場」を「
倉科権之介機械工場」と読み替える内容があります。(中村陸雄著『ソビエトカメラ党宣言』原書房 
        2001年 pp45〜46)
        
         ボクは、これを読んで大笑いしてしまいました。
         最近の、何でも漢字に言い直せだの何だのといった論には賛同しかねますが、こういった遊びは、ボクは大好きなのです。
         「倉科権之介機会工場」は、音で変換されたものですが、僕自身は、前述のように、旧会社名を使ってみるとどうかと思います。
         例えば、
         
         CANON EOS-1V → 観音 曙壱号 未来像 
        
 EOSはEntirely Organic System(=完全有機体システム)の略であると同時に、ギリシャ神話の中に登場する曙の女神という意味を持っているそうです。なんだか、「倉科権之介機会工場」ほど面白くありませんねぇ。やはり、二番煎じは駄目ということでしょうか。ついでに、ボクの手持ちのカメラでやってみると、
           
           Nikon F → 日本光学 反射
           MINOLTA SR-1 → 千代田光学 単眼反射 壱号 
           
           なんとなく、SR-1だけはかっこいいと思えますね・・・そうでもないか。
           やはり、「倉科権之介機会工場」にはかなわないのでしょう。
           この『ソビエトカメラ党宣言』は、これ以外にもとても面白い内容なので、ぜひ一度読んでみてください。とくに、ボクは「フェド伝説 時代を超えたカメラ」が好きです。また、ソビエトカメラやレンズについて、また撮影法についても楽しく書かれており、ソビエトカメラに興味がある人にもない人にも、おすすめの一冊です。
          
        
        
         引越しをします。新しいアパートは、京都駅のすぐそばという好条件。今、引越しのために荷物の片付けなどをしているのですが、なかなか大変です。ちょうどテストも始まり、忙しさに拍車がかかり、なんとなく、引越し前日まで・・・いや、引越し当日に大慌てしている自分が思い浮かべられて、なんとも複雑な気分です。
        
         それでは、まだまだ寒いですので、風邪など引かないように注意しましょう。
         感想などお待ちしています。また、カメラについての質問であれば、私のわかる範囲でお答えして行こうと思います。
         アドレスは yuhki7se@hotmail.com それでは、また。
        
        
        