ドイツ語入門編(2) ドイツ語の挨拶

○挨拶

 ではドイツ語の挨拶です。

 Guten Morgen! グーテン・ルゲン! おはよう
 Guten Tag! グーテン・ターク! こんにちは
 Guten Abend! グーテン・アーベント! こんばんは
 Gute Nacht! グーテ・ハト! おやすみなさい

発音規則0-3.[有声破裂音の無声化]

 b,d,gはs,tの前に来たとき、もしくは語尾に来たとき、無声化、つまり、
bはpで、dはtで、gはkで
発音されます。上の例ではGutan Tag! の最後のg、Guten Abend! の最後のdが語尾に来ているのでク、トと発音されています。

発音規則3-1.[ch]

 chはa,o,u,auの後では[x]、つまり「ハ」と、それ以外では[ç]、つまり「ヒ」と発音されます。上の例ではGute Nacht! のchがaの後ろにあるのでハと発音されています。


 「おやすみなさい」だけGutenではなくGuteなのに注意。これはMorgen「朝」やTag「いちにち」、Abend「夕べ」が男性名詞なのに対してNacht「夜」が女性名詞だからです。まあそのへんはおいおいお話ししますが、ここではドイツ語の形容詞が名詞によって形を変えるということだけ覚えておいてください。

 次に別れの挨拶を。

 Auf Wiedersehen! アウフ・ヴィーダーゼーエン! さようなら

発音規則23.[w]

 wは[v]で発音します。英語などのように[w]と発音しないように注意!

発音規則19.[s]

 sは語頭で母音の前にある場合、及び母音に挟まれている場合には[z]と発音します。上の例ではsが語頭に来ているわけではありませんが、Wiedersehenはwieder「再び」とSehen「会う」の合成語なので、Sehenのときと同様に[z]で発音します。

発音規則8.[h]

 hが母音の直後に来たとき、hは発音しません。そして直前の母音は長くなります。


 なお、特に若者の間では、イタリア語風の別れの挨拶も使われます。

 Tschau! チャウ! じゃあね。
 Tschüs! チュース! じゃあね。

発音規則20-4.[tsch]

 チュ、つまり英語のchと同じ発音をします。

発音規則21'[ü]

 üはユと読みます。但し日本語のユとは全く別の発音です。これは、
舌をイの位置、つまり前の方に突き出し、同時に唇をuのように丸める
という発音です。音声学では「前舌円唇母音」といいます。

○感謝の言葉

 ありがとう、すいません、どういたしまして、といった言い回しです。

 Danke! ンケ! ありがとう
 Danke schön. ンケ・シェーン ありがとうございます
 Bitte! ッテ! どういたしまして
 Entschuldigen Sie. エントシュルディゲン・ズィー ちょっとすいません、失礼します。

発音規則19-1.[sch]

 英語のshと同じ、シュという発音です。

発音規則15'[ö]

 これも前舌円唇母音。舌をエの位置、唇をoのように丸める発音です。

 なお、entschuldigenは「エンチュルディゲン」ではなく「エントシュルディゲン」です。ent-schul-di-genと切れるので、見た目tschと繋がっているように見えても、実はt-sch「トシュ」と発音しないといけないというわけ。

○クイズ

 たくさん発音規則が出てきました。ここで読み方クイズです。答えは白字で書いてあります。マウスで反転させてご覧下さい。間違えた人は読み返してください。

1. Tschech チェ
2. Niederlande ニーダーランデ
3. Luxemburg クセンブルク
4. England ングラント
5. Schweden シュヴェーデン
6. Köln ルン
7. Trier リー
8. München ミュンヒェン
9. Kaiserslautern カイザースウテルン
10. Wien ヴィー

 なお、1.は「チェコ人」という意味です。それ以外は全てヨーロッパの地名。

棒

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