アメリカにおいて学生のためのアパート契約は日本とはかなり異なる。
日本ではおそらく入学が決まり次第(あるいはその前に)個人でアパート探しから契約、月々の支払いまでトータルにやっていく。家賃が平均して安く見積もって5万円から10万円というのが相場だろう。その他電気、ガス、水道、食費な出費を考慮すると相当な額になるだろう。
アメリカの学生は、はっきり言って貧乏だ。(日本と違って)自分で学費から生活費まで出している者なんてざらである。一人でアパート契約をして生活をしている人はそうそういないだろう。ゆえに、みんな誰かしら他人と住んでいる。いわゆる
ルームメイトというやつだ。ただし、注意しないとけないのは、このルームメイトは友達であったり、
全く無関係な他人だったりすること。
要は住む場所を探していて一人では高くて払えないから、誰かと一緒に住んだほうが安い、これがルームシェアの基本的な考えだと思う。きちんと毎月家賃とガスや水道の基本料金を払ってくれて・・・というのなら誰でも構わないわけだ。が、自分に合ったルームメイトを探すのも至難の業。友達だから、彼氏だからといって上手くいくわけではない。
むしろ今まで僕が見てきた限りでは
9割近くが失敗している。お互いに嫌な部分をみてしまう、というのももちろんある。けれどそれ以上に
金銭的・経済的な面で必ずと言っていいほど問題が起こる。例えば、契約時には多額の費用が必要だ。そして新規契約の場合Deposit(この場合日本語で言う頭金、デポジット)が多くかかる。また、アパートを退去する時、支払ったDepositがそっくりそのまま返ってくるわけではない。どんなに綺麗に部屋を使っていても多少は取られる。
そこで引かれた分を除いて戻ってきたDepositを人数分で割ればいいか、としっかり出来ればいいが、中には
「俺は部屋にあまりいなかったから多くもらうべきだ。あそこを汚したのはお前だろう」
だとか、あじゃこじゃと色々面倒なケースになる。そんなことありえない、と思っていても起こりうる。
かと言って全く見ず知らずの人が入ってきたらどうか。自分には何の連絡、交渉(Negotiation)も無く、元のルームメイトが勝手に全てを決めて、ある日突然、知らない人間が住んでいる・・・なんて状況だとしたら。月々の支払いを請求したとしても
「え、そんなこと聞いてない」
と多寡をくくられる可能性もある。あるいは元ルームメイトが何も告げなかったかもしれないが。最悪の場合、ルームメイトが勝手に出て行き、何の後始末もせず・・・というケースも聞いたことがある。
ルームメイトは、「住む」という価値観が全く異なる者同士でも困るだろう。
自分は静かに誰にも構われずいたいのに、ルームメイトはしょっちゅうやかましいパーティーを開き、何だかんだと自分に構ってくる。特に、余計なおせっかいを焼かれるのには困る。
僕は以前台湾人の女性のルームメイトを持ったことがあるのだけど、彼女がえらいおせっかい焼きだった。週の始めにはその週の予定を聞かれ(何時に起きるかから始まり、一日のシャワーの回数や帰宅時間から就寝時間まで)毎日何らかの不平不満(Complain
)を言われる。
例えば、戸をうるさく閉めるから寝られないだの、あなたは朝早すぎるだの(学校あんだよ、馬鹿野郎って言ってやりたかった・・)、連れてくる友達は日本人ばかりだの(何でそんなこと言われなきゃいけないんだ・・)、恋人は泊めるなだの、しまいにはあなたは若いから何も分かってない、とまで言われた。
僕は相手が私生活で何をしてもいいけれど(別にセックスされようがドラッグでトリップされようが僕には関係ないから)誰にも構われたくない。僕には僕の生活がある。今の生活は朝まだ暗いうちから起き、日本にいる彼女と学校に行くまでメッセンジャーでチャット、シャワーをしてコーヒーを飲んで学校に行く。帰ってくる頃は夕方か夜だ。それから少し寝て・・・という生活をしている。
この生活が僕は気に入っている。今のルームメイトとは友達だが彼には彼の生活がある。
それに干渉する気はないし、彼もそうなのでうまいルームメイトだろうと思う。
さて、自分がどう生活したいかによって大分変わる。アメリカに来たのだからアメリカンルームメイトと住みたいと思えば世話焼きなネイティブを見つければいいし、誰かとべたべた過ごさないと、誰かが傍にいないと神経がいかれてしまうとお互いがそう思っているのであれば恋人と住むのも友人同士で住むのも一向に構わないだろう。
結局のところどうしたいか、そのためにはどうしていくべきか、ということなのだ。