南海電鉄22000系(→2200系)

貫通路に幌受けがある2200系。
(写真:高師浜線 羽衣駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1969(昭和44)年※1994(平成6)年に22000系の車体更新により現系列に改番
運行区間:高野線、和歌山電鐵(2270系のみ)
元、運行区間:高野線(汐見橋線)、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線
●支線区で今も頑張る元ズームカー
22000系は、1969(昭和44)年から1972(昭和47)年にかけて、高野線の増結用車両として2両編成×16本=32両が誕生。1994(平成6)年から、車体更新工事により2200系に改番。バリエーションとしては高野線用(のち支線区へ転出)の2200系、支線区向けの2230系、そして貴志川線(現、和歌山電鐵)用の2270系に分類される。
2200系と2230系は見た目はあまり違いはないが、更新後も高野線で運行された2200系には貫通路の幌受けがあるのに対し、2230系は更新時に既に支線区向けと位置づけられていたため幌受けがないのが大きな違いである。
2009(平成21)年に2200系2208編成を改造した観光列車「天空」(リンク先参照)が誕生したほか、2025(令和7)年1月に2231編成が登場時のズームカー塗装に復刻され、同年3月に引退。これにより、「天空」を除く南海2200系は運用を終了した。
貴志川線用の2270系は、前面貫通扉が埋められているほか、1500/600Vの複電圧対応化が実施されている。2006(平成18)年には貴志川線が和歌山電鐵に経営移管されたことに伴い、全車両が同社へ譲渡。「いちご電車」や「おもちゃ電車」など、様々な姿に改装されて話題を振りまいている。
このほか、1998(平成10)年には、22003−22004編成が熊本電鉄に譲渡され、同社の200形として2019(令和元)年7月まで活躍。
また、2023(令和5)年には2202−2252編成、2024(令和6)年には2201−2251編成が銚子電気鉄道に譲渡。前者は登場時のズームカー塗装に復刻されて運用を開始したほか、後者は南海電鉄の現行塗装を維持したまま、2025(令和7)年から観光列車「次郎右衛門(じろうえもん)」として運用されている。
●車内の様子

(撮影:裏辺金好)
●カラーバリエーションなど
2200系。
(写真:多奈川線 みさき公園駅/撮影:ひょん君)
2230系。
(写真:高野線 汐見橋駅/撮影:ひょん君)

引退を前にズームカー塗装に復刻された2230系。
(写真:高野線 岸里玉出駅/撮影:鐵)

2208編成の内外装を大幅に改装した観光列車「天空」。橋本〜極楽橋間で運用される。
(写真:高野線 極楽橋駅/撮影:裏辺金好)
●和歌山電鐵譲渡車輛

2271編成は、和歌山市の特産「いちご」をイメージした「いちご電車」。親会社が岡山電気軌道であるため、同社のデザイン顧問である水戸岡鋭治氏がデザイン。
(写真:貴志川線 竈山〜交通センター前/撮影:リン)
2272編成は南海電鉄時代の塗装で2018(平成30)年まで活躍。2019(令和元)年からは『おかでんチャギントン』ラッピング電車となっている。
(写真:貴志川線 伊太祈曽駅/撮影:裏辺金好)
2273編成は、2016(平成28)年から「うめ星電車」として活躍。和歌山県の特産品である南高梅から作られる「梅干し」をモチーフにしている。
(写真:貴志川線 貴志駅/撮影:裏辺金好)

2274編成は、2018(平成30)年から日本動物愛護協会と和歌山電鐵による広告ラッピング電車「動物愛護電車」となっている。
(写真:貴志川線 貴志駅/撮影:裏辺金好)
2275編成は「たま電車」。全体に101匹の猫の駅長「たま」のマスコットキャラクターが貼られている。
(写真:貴志川線 伊太祁曽駅/撮影:ネオン)

2276編成は2007(平成19)年から2021(令和3)年まで「おもちゃ電車」として運転。水戸岡鋭治氏がデザインしたもので、外観は車体全体を赤く塗った上に「OMODEN」のロゴなどが掲出されている。
(写真:貴志川線 伊太祁曽駅/撮影:ネオン)

2276編成は、2020(令和2)年に「おもちゃ電車」を改造して「たま電車ミュージアム号」となっている。水戸岡鋭治氏がデザインし、黒字を願った黒い外観が特徴。
(写真:貴志川線 大池遊園駅/撮影:ネオン)