日本の旅 第67回
青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道〜正月旅行’04【4】
     A trip of Japan No.67 Aoi-Mori Railway Co. & IGR Iwate Ginga Railway Co.
○両鉄道会社の概要
2002年12月から運転を開始。東北新幹線盛岡〜八戸の開業に伴い、この区間の並行在来線(東北本線)の経営を受け継いだ第三セクター鉄道で、目時駅を境に岩手県側が「IGRいわて銀河鉄道」、青森県側が「青い森鉄道」として運転されている。相互乗り入れし、盛岡〜八戸の直通も多いほか、JRからの乗り入れの列車も多い。ただし、経営環境は厳しく、日本の鉄道の大動脈を安易にJRから切り離させたのは果たして良かったのか。
1.改築された八戸駅

JR花輪線の車両(1) (たしか)厨川駅にて

JR花輪線の車両(2) 盛岡駅にて
その塗装から「赤鬼」とも呼ばれます
 一度書いた後で間違えて消してしまって、激しく鬱です。
 ま、気をとりなおしてもう一度書きます。

 車内温度がクソ暑い、夜行急行「はまなす」で札幌から青森まで乗車したのは前に述べたとおり。本当に暑すぎて眠れませんでした。殆ど徹夜状態で到着です。そして早朝5時50分、東北本線の特急「つがる」に乗り換え、八戸へ向かいます。

 今回は「北海道・東日本パス」という在来線の普通電車・快速電車・急行「はまなす」が乗り放題の切符で来ているのですが、あまりこだわりすぎていると観光の時間が無くなってしまうので、鈍行ファンの方には申し訳ないですが、別料金を払って、さっさと特急を使うことにしました。

 んで、特急「つがる」。
 E751系という車両を使っていまして、東北新幹線が八戸に伸びるまでは特急「スーパーはつかり」という列車に使われていました。まだ新しく車内は綺麗でスピードも速い。! というか車内が暑くない(笑)。 

 快適な乗り心地で、6時48分に八戸に到着しました。乗り換えの列車までそんなに時間があるわけではないですが、八戸駅の外観を撮影します。

 駅は悪くはないのですが、駅の右にあるJRのホテルの形。もうちょっと、何とかならなかったのかなと思います。これじゃ、ただの長方形の箱です。折角駅中心部のデザインが丸みを帯びていて面白いのに、非常に残念です。

 ちなみに八戸駅は、八戸市の中心部から遠く離れているので、駅前は閑散としています。正月の早朝と言うこともあって、余計に寂しいです(もっとも、1月3日ですから、ほどなく新幹線で東京などに戻る人が大勢来ると思いますが)。

 そして、駅弁を購入。さんまの柚香すし(630円)です。
 ここに来てようやく、地元の食品を食べた気がします。香りも良いし、美味しいですね。値段も手頃で、満足満足です。そして、というか駅弁を食べながらですが、7時11分に青い森鉄道の列車に乗って盛岡へ向かいます。

 使われているのはJRの701系と同型の「青い森701系」。開業1周年を記念したマークを前面に貼っています。

 701系と言われても何だそれ? という人もいるでしょうが、首都圏で言えば京浜東北線とか、中央総武線と兄弟関係にある車両です。ロングシートの通勤電車で、ここを使う鉄道マニアが文句を言うことでお馴染みです。

 さて、青森〜盛岡にかけて、北海道ほどにないにしろ雪がしっかりと積もっています。特に駅ホームに積もった雪、山にうっすらとかかった雪は、なかなか美しく、それだけで必見の価値。左の写真は、IGRいわて銀河鉄道との境界である目時駅にて。ちなみに境界といっても、何があるわけでもなく、ただの駅です。列車も直通します。

 次の金田一温泉駅は、その名の通り温泉がある場所で、そこそこ有名なのですが、ここに行ってしまうと乗り継ぎの電車が面倒なことになるので却下。二戸、いわて沼宮内と新幹線と接続しますが、果たして乗り継ぎの乗客はどれだけいるのでしょうか。

 沿線は民家が少なく、これは経営が苦しいのは無理はありません。元・東北本線の一部なので最近好調なJR貨物の貨物列車がガンガン走る大動脈。なんとか旅客輸送の方も頑張ってもらいたいのですが、この沿線の閑散とした感じだと・・・。

 それでも、JR花輪線が分岐する盛岡近郊の好摩駅近くになると沿線も活気づき、乗客も増えてきます。列車本数もJR花輪線の分も合わせて多くなり(一部を除き1時間あたり2〜3本)、何とかこの辺で乗客増を目指すしかなさそうですね。沿線には盛岡大学や、石川啄木の故郷があるので、新駅を設置すれば需要がありそうです。

 そして8時55分に盛岡駅着。
 どうせ駅の外観の写真を撮るので別に構わないのですが、一度改札口を出ないとJR線に乗り換えが出来ない構造になっています。色々理由はあるのでしょうが、IGR線がJRだった頃にはあり得なかったことで、ただでさえ乗客の少ないのに不便にするのはいかがな物なんでしょうね。まあ、たいていの乗客は盛岡で降りると思いますけど。

 ただ、さらに経営の苦しい路線など山ほどあるのに、わざわざこの大動脈をJRから分離させたというのは一体どういう了見なのか、新幹線建設を主導した政府と自治体の見識を疑いたくなります。

2.東北本線を行く
 さて、写真上左はIGRいわて銀河鉄道の車両。それから、上右は堂々たる構えのJR盛岡駅です。
 盛岡駅は堂々としてはいるのですが、ここも中心部は駅前まではないので、駅前はあまり活気がありません。ただ、駅の中のショッピングセンターは、そこそこの面積を誇り、便利で人も沢山いました(注:行きに立ち寄った時です)。

 ちなみに「IGRいわて銀河鉄道」は、宮沢賢治の「銀河鉄道」を社名にした物。素敵な社名ですね(ちなみに、当初はいわて銀河鉄道にするつもりだったらしいのですが、鉄道と全然違う盛岡市の業者が既に名前を使っていたそうで、IGRいわて銀河鉄道となりました)。

 そして9時12分に盛岡を出発。雪も全く積もって無く、ちょっと残念(?)ですが、ここからは再びJR東北本線となります。

 ご覧のように、またこの顔の電車でしょ!
 東北全域で見かけるのですが、もう少し可愛らしいデザインの顔に出来なかったのでしょうか。如何にもステンレスの板を組み合わせただけ、と言った感じです。

 ちなみにこの車両。やけに帯がカラフルだなと思いきや、岩手日日新聞の宣伝でした。綺麗だから別に良いですけど、宣伝を電車に付けるのが一般的になりつつあるみたいですね。昔から路面電車なんかは、広告電車を走らせていましたけど。

 そして、一ノ関10時41分着。さらにまた同じ顔の電車に乗って、石越に11時09分に到着します。ここで、ちょっと寄り道を致します。

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