日暮里・千住を歩く〜東京都荒川区・足立区〜
  Nippori & Senjyu in Arakawa & Adachi City , Tokyo
○北千住駅
 隅田川を渡ったら北千住。行政区画も変わり、こちらは足立区です。
 中心駅である北千住駅は大きなターミナルビルで、JR常磐線の他、東武鉄道、東京メトロなどが乗り入れています。もうじき「つくばエクスプレス」も開業し、さらに賑やかになりました。それでは、北千住を歩き始めましょう。まずは、商店街にある意外な建物から。

○古い建物改築の見本? 大橋眼科医院
 商店街を歩いていると・・・、突如として姿を表したのが、中世の洋館のような建物。現在は大橋眼科医院として使われている建物です。景観に配慮してか、ここだけアーケードもかかっておらず、建物をじっくりと堪能出来ます。一体、いつの建築なのか・・・と思って調べてみましたところ、1982(昭和57)年の建築。ありゃ、意外に新しい。

 元々、1917(大正6)年に建てられたドイツの民家風の医院(初代院長:故・大橋重義氏)があったのですが、老朽化により取り壊すことに。しかし、惜しむ声も多く、医院の経営者である鈴木英夫氏の意向で旧建物をイメージして改築したとか。前建物とはかなり似ており、さらに都内の近代建築から部材を集めたそうで、数々の歴史を継承していることになります。これからも残って欲しいものです。
 
○宿場町通りの古い街並み
 さて、商店街から分岐しております宿場町通り。
 江戸時代に千住宿があったことに由来するもので、当時を彷彿とさせる建物が数多く残っています。
 空き家も多いようなので、今後が少し気がかりではありますが・・・。

横山家住宅
 江戸時代後期の建物(昭和11年改修)。宿場町の名残をとどめる商家です。敗退する彰義隊が柱に斬りつけた跡や、戦時中に焼夷弾に貫かれた屋根など、様々なドラマがあります。

千住絵馬屋・吉田屋
 代々絵馬を作り続けている吉田屋。縁取りした経木に色とりどりの泥絵具で描く千住絵馬の伝統を守り続け、またその代表作を一括保存しています。

名倉医院
 200年前から続く名医。全国から患者が来たとか。その当時の建物が今も残っています。院長のご厚意で母屋の写真も撮らせて頂きましたが、あくまで「ご厚意」なので掲載は控えます。


○大黒湯
 日光街道の直ぐ脇、千住寿町に行くと、大黒湯という、ビックリするほど立派な銭湯がございます。なんと、1929(昭和4)年の建築です。

 汗もかいていたことだし、折角なら入ってくれば良かったのに、そうしないのが私。あとでインターネットで調べていたら、かなり内部も豪華なようなので、入ってくれば良かったと非常に後悔。なんでも、脱衣場の天井には、約百枚もの日本画が描かれ、さらに露天風呂も付いているそうで・・・。

 一本、道を間違えたおかげで、私はトコトン道に迷ってしまいましたが、ほんと、街道の直ぐ脇ですので、普通は迷いません。なお、千住には他にも銭湯が幾つかあります。
  
○旧千住郵便局電話事務室
 最後に、旧千住郵便局電話事務室。1929(昭和4)年の建築で、場所は千住中居町15-1。こちらも日光街道沿いで、ちょっとだけ脇に入ります。残念ながら、2002(平成14)年に閉鎖されたらしく、今後が気がかりです。角が丸みを帯びているなど、何とも捨てがたい魅力がありますが、さてさて今後や如何に!?

 以上、東京の下町を散歩してみました。
 特に荒川区は史跡に多数の説明板を設置してあり、歴史マニアにはとても有り難い配慮がなされています。皆様もぜひ、東京散策をお楽しみあれ。このコーナーでもどんどん特集していきます。