
*コーランの説く「天上の楽園」を再現。
また、フランスやイタリアからも職人が集められた。
*一昔前より、酸性雨による被害が深刻。 |
今回は、インドの世界遺産であるタージ・マハル。
写真を、ハリウッド豚まんさんに撮っていただききました。
タージ・マハルはムガル帝国(1526〜40,55〜1858年)時代、1632年に着工され、1654年に完成した白亜のモスク。日本で言えば、江戸時代初期の鎖国前後あたりの頃。
建築をさせたのは、第5代皇帝のシャー・ジャハーン。今のニューデリーから鉄道で2時間のアーグラに建設させました。目的は、最愛の妻ムムターズ・マハルを弔うためです。こんなに豪華な建物になってしまったのは、それだけ妻を愛していたと言うことで、女性に囲まれてばかりの皇帝・王様にしては世界史上結構珍しいことです。
しかも、妻ムムターズ・マハルは、王宮のバザールで宝飾品を売っていた程度の身分の女性だったんですね。それが彼女が12歳の時、当時15歳のシャー・ジャハーン(まだ皇帝ではない)に一目惚れされて、5年後に結婚。
以後、ムムターズ・マハルは36歳で死ぬまでシャー・ジャハーンの子供を14人も産み、しかもシャー・ジャハーンが遠征する場所全てについて行ったという、相当なツワモノです。
そんなわけで、彼女が死んだ場所も遠征地であるデカン高原だったりします。この時の皇帝の悲しみは計り知れないもので、一瞬にして黒い髪が白くなったとか。ホントかどうかは知りませんが、こういう現象は実際にはあるらしいです。
そして22年の歳月と2万人の職工を費やし、白亜の愛のモニュメントが完成。当然国は傾き、息子のアウラングゼーブに帝位を追われ、アーグラ城(これも世界遺産)の塔に閉じこめられてしまいます。
それから7年間、塔からタージ・マハルを見続けたシャー・ジャハーンは、74歳の生涯を閉じ、現在はタージ・マハルにムムターズ・マハルと共に眠っています。
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