生命三十六億年(6) シルル紀

○今回ご紹介する時代(赤色部分)

累代
開始年代
顕生代 古生代 ペルム紀    2億9900万年前〜
    石炭紀    3億5920万年前〜
    デボン紀    4億1600万年前〜
    シルル紀  4億4370万年前〜
    オルドビス紀  4億8830万年前〜
    カンブリア紀  5億4200万年前〜

○シルル紀とは

 シルル紀という名前の由来は、西イングランドからウェールズにかけてすんでいた、シルルという古代の部族にちなんで、1835年にイギリスの地質学者マーチソンが名づけたことに由来します。これ以前は、スウェーデンの時代に由来するゴドランド紀と呼ばれていました。

 現在よりも温暖な時代であり、気温は4〜5度ほど高かったと考えられています。オルドビス紀に比べて海水準は始めは低下していました。しかし、極地の氷河が無くなり、海面は上昇に転じています。

 この時期、オルドビス紀で大半が絶滅したフデイシ(筆石)類が、残存する1〜2種から再び大きく多様化し、石炭紀までの海を代表する化石の1つとなっています。

○シルル紀の動植物

 この時期の動物は、世界的に均等に分布していました。三葉虫やウミサソリなどが代表例です。
 また、特筆すべきは顎の無い無顎類から、有顎魚類まで一通りの魚類のグループが出現したことです。また、シルル紀の終わりには陸上動物がついに登場したようです。

 そしてもう1つ特筆すべきこととして、この時代の地層からは、植物が陸上で棲息する証拠(化石)が見つかっていることです。このときの植物は、原始的な葉のない維管束植物で、今ではこうした植物は見ることが出来ません。ちなみに、オルドビス紀でも胞子の化石は見つかっており、もしかすると陸上で植物がいたのかもしれません。



アークティヌルス (国立科学博物館にて)
アメリカで発掘された、シルル紀の三葉虫の1種。


プテリゴトゥス (世界の巨大恐竜博2006にて)
 いわゆるウミサソリの一種で、絶滅した節足動物です。大型の捕食動物で、この化石(頭部と胸部)はやや小さいですが、種類によっては2mに達するものもいたようです。2つのハサミで獲物を捕らえていたようです。

エウリプテルス (世界の巨大恐竜博2006にて)
小型のウミサソリの一種です。

パレアスター (国立科学博物館にて)
ヒトデ類の1種で、アメリカのニューヨーク州から発掘。

カイメンの1種 (国立科学博物館にて)
スウェーデンのゴトランド島から発掘。 カイメンは現在も棲息する最も原始的な多細胞動物で、色々な形があります。

ハリシテス(クサリサンゴ) (国立科学博物館にて)
イギリスで発掘。当時の磯を作っていた生物の1つ。


キャリオクリニテス (国立科学博物館にて)
アメリカ・ニューヨーク州で発掘。ロンビフェラ類の1種。

○シルル紀の大陸


 さて、ゴンドワナ大陸は多少東に移動する程度ですが、その他はご覧の通り縦横無尽に動きました。なんと、アヴァロニア大陸は東西に分裂すると共に、東アヴァロニア大陸はローレンシア大陸とくっつきます。


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