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戦車論第1回 戦車概論〜はじめに・定義〜


○はじめに

  TANK(戦車)・・・・。

  それは我々の前に立ちはだかり、 兵士達が汗と血を流しながら作り上げた塹壕を容易に踏み越えて来た。兵器という言葉に対して真っ先に戦車を連想する人も多いだろう。

 戦車、その歴史は古い。 古代中国、或いはギリシア・ローマ時代にまでさかのぼる事は可能だ。

 二頭仕立ての1対車輪の馬車。 2−3人が乗り込み、一人は御者、一人は矛や槍、一人は弓を扱う。 騎馬術が発展するまで、この馬車戦車は戦場の花形であった。やがて機動性や防御能力の差から、騎馬戦車は衰退する。

 騎馬術の向上と、武器防具の素材改良により、 戦場は騎士重装歩兵が花形となる時代が来る。


 そして・・・・・
 20世紀初頭のヨーロッパにその蹄は響いた。
 鉄の無限軌走行輪の足を有し、鋼鉄の肉体を持ち自走するトーチカ。
 それが戦車だった。


○戦車の定義

 戦車という言葉は何処までも正しいとは言えない。 戦車は文字通り戦う車であるから、 戦いに参加できる車で有れば、かなりの物に当てはまる。まず、古代戦車と近代以降の戦車を明確にしなければならない。

 古代戦車は『チャリオッツ』という一般名詞を有している。 二頭、時に四頭仕立ての馬車だ。紀元前から紀元初頭にかけて東西に多くの国で採用された。


 そして近代の戦車。 様々な呼び名がある。
 英語では『タンク(密閉容器)』
 ドイツ語では『パンツァー・カンプ・ワーゲン(装甲戦闘車)』
 フランスでは『シャール(戦士)』


 戦車という言い方を本来の意味から不適当にしている存在がある。
 装甲車である。

 なので今回は装甲車という概念は頭から一時取り外していただきたい。


 そして、ひとまず便宜上にこれら近代の戦車を『戦車』と呼称する。

(写真:90式戦車・・・陸上自衛隊の国産主力戦車。1977年から開発され、90年に制式採用された。重量約 50t、主要武装は120mm砲で、複合装甲(鋼鉄の装甲板にセラミックや繊維素材、樹脂などをくみあわせたもの)と高度なエレクトロニクスをもちいた射撃管制装置をそなえ、最高時速約70kmで走行できる)


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