111系・113系一般形電車


113系発祥の地である東海道本線。半世紀近くも姿を見せていたが2006年に東京口からは撤退した。
(写真:東海道本線 藤沢〜大船/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1962(昭和37)年(111系として)
保有会社:JR西日本
元保有会社:国鉄、JR東日本、JR四国、伊豆急行
運転区間:東海道本線、山陽本線、草津線、湖西線、阪和線、紀勢本線、赤穂線、伯備線など
元・運転区間:横須賀線、総武本線、東金線、外房線、内房線、成田線、伊東線、御殿場線、身延線、中央本線、伊豆急行線、福知山線、山陰本線、舞鶴線、小浜線、呉線、可部線、瀬戸大橋線、予讃線、土讃線等

●全国で見られた近郊電車も、いよいよJR西日本のみへ

 1950年代から活躍していた、東海道本線東京口の湘南電車こと80系や153系は2扉であるために通勤運用には向かなかった。そのため、これを置き換えるべく、常磐線で活躍する401系をベースとした直流電車として誕生したのが、3扉の111系である。113系は翌年に、111系の出力増強版として登場した。出力増強されたのはモーター車で、その他の車両は111系の続きとして量産され、実際ほとんど同じ車両である(厳密な意味での111系は、2001年3月に四国で運用終了。ずいぶん長く使われたものだ)。

 この113系は約2900両も投入され、後述することになる山岳用の115系と合わせて、東北以外、本州ではほぼ全域でその姿を見ることが出来る。また、地域の実情に合わせて地下線用や、座席のタイプの変更なども行われており、マイナーチェンジ車も非常に多い。 さらにJR化後は、地域によって様々な塗装を施して使用している。また、JR西日本では新型車かと見違えるようなリニューアル車を登場。関西・岡山・広島の各地域に投入し、好評を得ている。JR四国ではこれを模範にJR東日本から購入した113系をリニューアルし使用。こちらは室内もさることながら、カラフルな色遣いも特徴的だ。


 数多くの車両が全国で活躍し、伊豆急行へ譲渡されるなど私鉄への進出も見られたが、さすがに多くの車両が引退の時期を迎えている。主要なところとしては、2004(平成12)年10月改正でJR西日本の東海道・山陽線(大阪地区)からは原則として撤退(他線からの乗り入れ運用はあり)。

 2006(平成18)年3月改正では113系発祥の地であるJR東日本の東海道本線、さらに2007(平成19)年3月改正ではJR東海の全域からも撤退している。さらに、房総半島からは2011(平成23)年8月末で定期運用を離脱した。これによって113系もいよいよ、JR西日本とJR四国でのみ運用されていることになった。

 しかしながらJR西日本でも引退が進み、2012(平成24)年3月改正では福知山線や山陰本線などから撤退している。さらに2019(平成31)年3月16日改正では広島地区から撤退したほか、JR四国保有車両も定期運用を終了している。

●形態&塗装バリエーション一覧


総武本線・東金線・外房線・内房線用の113系は、以前走っていた横須賀線・総武快速線の塗装を受け継ぎ、通称”スカ色”と呼ばれる塗装で運用。2011年8月に定期運用を離脱。
(写真:総武本線 物井〜佐倉/撮影:デューク)

JR東日本の113系等は前面強化改造が施されたが、最初の頃は金属板むき出しのまま。なんともサイボーグな姿だった。
(写真:横須賀線 横浜駅/撮影:デューク)

1999年8月2日に品川駅で開催されたイベントの時にC62に引かれる客車をイメージして茶色に塗られた113系。車内では銀河鉄道999関連の展示が行われた。また、103系も茶色に塗られて連結。
(写真:品川駅/撮影:裏辺金好)

伊豆急行200系として使用された113系(現存せず)。元々はJR東日本の所属だった車両。色違いに赤があるが、それは115系からの改造。
(写真:伊豆急行線 伊豆急下田駅/撮影:佐都青木)

阪和線・紀勢本線用の塗装は、白い車体をベースに水色のラインを巻く。一時、同線から消滅したこともあったが、後に復活。その後、2011年12月に引退した。
(写真:紀勢本線 御坊〜紀伊内原/撮影:裏辺金好)

関西本線で1991年まで、奈良線、和歌山線で1994年まで活躍した113系は、阪和色の色違いで朱色(朱色3号)の帯を巻く。
(写真:関西本線 天王寺駅/撮影:ひょん君)


リニューアル工事を受けた関西圏の113系に施されている塗装。
写真は簡易的なリニューアル車だが、中には腐食を防ぐために窓枠や雨樋の形状を変更するなど大規模な工事を受けた車両も。
(写真:東海道本線・湖西線 京都駅/撮影:裏辺金好)



電化された小浜線用に当初投入された113系。いわゆるスーパー化工事を全車実施し、側面の形状などが変更されている。
(写真:小浜線 敦賀駅/撮影:裏辺金好)

単色化されたJR西日本の113系。吹田総合車両所京都支所の車両は2010(平成22)年7月を皮切りに、すべての車両が深緑色1色に変更された。
(写真:東海道本線 京都駅/撮影:裏辺金好)

2017(平成29)年2月に登場した「SHINOBI-TRAIN」。吹田総合車両所京都支所の113系L6編成に施されたもので、滋賀県や草津線の沿線市町、三重県伊賀市で構成する「草津線利用促進プロジェクトチーム」が忍者ゆかりの地をPRするために企画したもの。
(写真:東海道本線 京都駅/撮影:裏辺金好)

一見すると普通の湘南色だが、オレンジと緑の間に1本白いラインが追加された山陰本線京都〜福知山周辺の、2両編成ワンマン用車両。
(写真:山陰本線 京都駅/撮影:裏辺金好)

1986年に福知山線の宝塚〜福知山、山陰本線福知山-城崎間が電化された時に投入された113系は、イエローをベースにブルーのラインが入る塗装だった。JRが発足すると、間もなく下写真の塗装に変更されている。
(写真:福知山線 大阪駅/撮影:haru様)

福知山線を走る113系・115系はクリームをベースにブラウンとグリーンのストライブが入る塗装だった。福知山線撤退後、山陽本線に転属しており、しばらくは福知山色のままだったが、2007年に瀬戸内色となり、ついに消滅。
(写真:福知山線 尼崎駅/撮影:関西ライナー様 禁転載)

簡易先頭車化改造された、福知山線北部などで活躍した113系3800番台(2008年に引退)。旧型国電を連想するような独特なスタイルが、変な魅力で一部のファンの間では色々な意味で人気。
(写真:山陰本線 福知山駅/撮影:裏辺金好)

上写真の車両の反対側。こちらは、通常の113系の顔だった。
(写真:山陰本線 福知山駅/撮影:裏辺金好)

白浜町のサファリパーク「アドベンチャーワールド」でジャイアントパンダが誕生したことを記念したPR塗装(主に紀勢本線用)。現在は存在しない。
(写真:JR吹田工場/撮影:裏辺金好)

紀勢本線の2両編成の113系は、中間車に103系のような運転台を取り付け、独自の塗装で活躍中。
(写真:紀勢本線 印南〜稲原/撮影:裏辺金好)

同じく紀勢本線の2両編成の113系。こちらは単色化後の姿。
(写真:紀勢本線 御坊駅/撮影:リン)

瀬戸内色は基本的に115系用の塗装だったが、現在では山陽本線に転属した113系などにも施されている。車両の転属が激しいJR西日本では、福知山線や阪和線で見られることもあった。
(写真:東海道本線・福知山線 塚本駅/撮影:投稿写真 禁転載)

一時的に存在した、山陽本線「もどき」の塗装。何故窓周りに福知山線色の茶色が残っている不思議な車両だった。現在は茶色の部分が無くなり通常の瀬戸内色に。
(写真:山陽本線 小郡駅(現・新山口駅)/撮影:佐都青木)

2008年11月に広島支社に転属してきた113系は、115系ではお馴染みだった広島地区の更新色に塗られた。
(写真:山陽本線 広島駅/撮影:リン)

岡山支社、広島支社の113系と115系は黄色一色への単色化が行われた。
(写真:山陽本線 広島駅/撮影:裏辺金好)

今は無き、JR四国に渡った最後の111系。白をベースにJR四国のカラーである水色のラインを巻いていた。
(写真:予讃線 高松駅/撮影:ムスタファ

JR四国の113系。JR東日本から購入したもので、編成によって塗装が異なり、第1編成は水色がベース。
(写真:瀬戸大橋線 大元駅/撮影:裏辺金好)

同じくJR四国の113系で、第2編成はピンク色がベース。正面から見ると113系にはもはや見えない姿。室内も大幅に改造。
(写真:瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

JR四国の113系。第3編成は黄色がベース。
(写真:予讃線 坂出駅/撮影:裏辺金好)

JR四国の113系第3編成は、2013年3月12日から11月4日まで写真家の荒木経惟(のぶよし)さんの作品を描いた「アラーキー列車」に。「エロス(性、生)とタナトス(死)の共存」がテーマで、瀬戸内国際芸術祭の作品の1つ。
(写真:予讃線 讃岐塩屋駅/撮影:リン)

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