115系一般形電車


115系を代表する塗装である湘南色。長らく宇都宮線、高崎線ほか高崎地区、山陽本線を中心にみられたが、今や新潟で1編成、長野(しなの鉄道)で1編成、岡山で2編成が見られるのみ。
(写真:青梅線 古里駅/撮影:裏辺金好)

基本データ

デビュー年:1963(昭和38)年
保有会社:JR西日本、しなの鉄道
元・保有会社:国鉄、JR東日本、JR東海、伊豆急行
運行区間:伯備線、舞鶴線、山陽本線、山陰本線、赤穂線、宇野線、福塩線など
元運行区間:東北本線、高崎線、両毛線、上越線、吾妻線、信越本線、篠ノ井線、しなの鉄道、えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン、羽越本線、越後線、白新線、中央本線、東海道本線、伊東線、御殿場線、身延線、飯田線、可部線、呉線、瀬戸大橋線、予讃線、土讃線、伊豆急行線など多数

●113系と共に全国を代表する近郊形車両

 ベースは111系で、113系と兄弟関係。東北本線・高崎線で運用を開始したことから解るように、主に山岳地帯を考慮した出力増強と寒冷地での運用を考慮した耐寒装備を備えるが、実際には山陽地域など暖かい場所でも使用されている。

 1966(昭和41)年からは、中央本線に投入され、その他山陽本線などにも進出を開始。いわゆる旧型国電と呼ばれる車両の淘汰を開始した。また、48年製造車からは冷房を装備。1977(昭和52)年には、新潟地区にさらに耐寒装備を強化した1000番台を投入。また、座席の幅を拡大した2000番台を山陽本線に、引き続き1982(昭和57)年には、広島地区に2ドアで転換クロスシートを装備した3000番台を投入するなど、地区や時代に合わせてマイナーチェンジしていった。

 JR化後は、113系同様に、地域密着の塗色変更や、さらに新車同様な大リニューアル車も登場。特にJR西日本の広島・下関地区の115系の一部は、屋根の改造や、座席がボックスシートから、座り心地の良い転換クロスシートに変更されて、また室内も新製車両並みの雰囲気にされるなど、大幅な改造工事が行われている。

 2007(平成19)年3月改正で、JR東海所属車両はすべて引退。また、JR東日本の高崎地区からは2018(平成30)年3月改正で引退。2019(平成31)年3月16日改正ではJR西日本の広島地区で引退したほか、岡山から瀬戸大橋線を経由し、四国に直通していた115系の運用が消滅した。

 2022(令和4)年3月12日改正では、新潟地区の115系が全て引退し、JR東日本から115系の運用が無くなっている。

 なお、長野新幹線(北陸新幹線)開業に伴い、信越本線(軽井沢〜篠ノ井、長野〜妙高高原)を移管した「しなの鉄道」では主力車両として活躍。近年は様々な歴代塗装に復刻されて運転中だが、こちらもE129系ベースのSR1系が順次投入されることが決まっており、先行きは長くない。

▼カラーバリエーション


113系同様、いわゆるスカ色も存在している。現在は、しなの鉄道で2編成が残る。
(写真:武蔵野線 西国分寺駅/撮影:裏辺金好)

長野総合車両センターの115系訓練車。湘南色に白帯と訓練車の白文字が描かれている。
(写真:長野総合車両センター ※敷地外より/撮影:裏辺金好)

豊田車両センターの115系訓練車。こちらはスカ色に白帯と訓練車の白文字が描かれている。
(写真:宇都宮線 宇都宮駅付近/撮影:ネオン)

1989(平成元)年4月に登場した初代長野色。アイボリーホワイトを基調とし、緑と赤の帯を配している。1998(平成10)年の長野オリンピックに合わせて、後ろに連結する2代目長野色(信州色)に塗装変更されたが、2017(平成29)年4月に「しなの鉄道」で復活。ただし、車体側面のJRマークは再現されていない。
(写真:信越本線 長野駅/撮影:リン)

長野、山梨、東京西部で活躍した115系信州色。前述のとおり、長野オリンピック開催に合わせて登場したもの。
(写真:しなの鉄道線 屋代高校前駅/撮影:裏辺金好)

長野新幹線開業に伴い、信越本線(軽井沢〜篠ノ井)を移管した「しなの鉄道」の115系。赤とガンメタリックを配した、汚れが目立ちにくい塗装。
(写真:しなの鉄道線 大屋駅/撮影:裏辺金好)

2012年8月に登場した、アニメ「あの夏で待ってる」ラッピング電車。2013年12月まで、しなの鉄道のS2編成に施されていた。
(写真:しなの鉄道線 小諸駅/撮影:裏辺金好)

2013年9月に登場した、長野市を本拠地とするプロサッカークラブ「AC長野パルセイロ」ラッピング車。しなの鉄道のS23編成に施されていた。
(写真:しなの鉄道線 軽井沢駅/撮影:裏辺金好)

2014年7月に登場した観光列車「ろくもん」。しなの鉄道S8編成が水戸岡鋭冶氏のデザインで改造された。
(写真:しなの鉄道線 安茂里〜川中島/撮影:ひょん君)

国鉄末期からJR初期にかけて存在した一次新潟色。
(写真:信越本線 直江津駅/撮影:ムスタファ

2017(平成29)年9月、一次新潟色が長い時を経てリバイバル。
(写真:大宮駅/撮影:裏辺金好)

一次新潟色の後に登場した新潟地区の115系塗装。ホワイトをベースにライトグリーンとモスグリーンの帯を巻く。新塗装も登場しているが、こちらも併用された。
(写真:信越本線 新潟駅/撮影:デューク)

新潟地区の新塗装。白をベースにしている点は変わっていないが、青系統の塗装に一新。
(写真:信越本線 新津駅/撮影:裏辺金好)

主に弥彦線で運用されていた115系の専用塗装。2両編成でワンマン運転も行う。なお、一時消滅していたが、2018(平成30)年に3両編成で復活し、新潟県内の各地で見られた。
(写真:越後線 新潟駅/撮影:裏辺金好)

2017年1月に登場した「懐かしの新潟色」。かつて新潟地区の80系に施されていた塗装を復刻したもの。
(写真:越後線 刈羽〜西山/撮影:ひょん君)

1987(昭和62)年、JR発足と共に誕生した広告電車であるコカコーラ電車。北長野運転所のN12編成に施されていたもので、約1年活躍した。
(写真:長野駅/撮影:haru様 禁転載)

2018(平成30)年3月4日に復活したコカ・コーラ塗装。クラウドファウンディングによる資金集めにより、当時と同じ編成である、現在のS11編成に復刻された。なお、コカ・コーラのロゴは現行デザインを採用している。
(写真:信越本線 長野駅/撮影:与太郎)

2018(平成30)年11月に登場した「台鉄自強号色」。台鉄EMU100型電車風の塗装で、S9編成に施されている。
(写真:信越本線 長野駅/撮影:鐵)

伊豆急行で活躍した元・115系の伊豆急200系の赤色。2008(平成20)年で引退。
(写真:伊東線 熱海駅/撮影:裏辺金好)

伊豆急200系「トランバガテル」色。沿線の河津町にオープンしたフランス式ローズガーデン「河津バガテル公園」PR編成だった。
(写真:伊東線 熱海駅/撮影:武蔵野通信局 禁転載)

身延線で活躍する115系は国鉄末期、甲州ブドウをイメージした塗装で新製投入。しかし、JRになると湘南色へ変更されて消滅。
(写真:身延線 甲府駅/撮影:daikiti)

岡山・山陰地区のリニューアル車両。広島地区とは異なり、ベースとなる色がベージュに近い色になっている。また、前面&側面行き先方向幕がLEDに変更されている。
(写真:赤穂線 西大寺駅/撮影:デューク)

山陽本線、伯備線、山陰本線などで活躍する115系のうち、簡易先頭車改造もので、こちらは非貫通型。
(写真:山陰本線 伯耆大山〜米子/撮影:裏辺金好)

山陽本線、伯備線、山陰本線などで活躍する115系のうち、簡易先頭車改造もので、こちらは貫通型。
(写真:山陽本線 中庄駅/撮影:リン)

舞鶴線や山陽本線などで活躍する115系のうち、簡易先頭車改造(貫通型)されたもの。
(写真:山陽本線 徳山駅/撮影:裏辺金好)

1990年頃から採用された福知山線用の塗装で、113系だけでなく115系にも少数存在。後に広島地区へ転じ、2007年にこの塗装は瀬戸内色となり、ついに消滅。
(写真:山陽本線 岡山駅/撮影:デューク)

山陽本線や呉線などを走る115系は、 国鉄末期からクリームに青いラインを巻く。通称瀬戸内色と呼ばれ、その名の通り瀬戸内の海を臨みながら快走する。
(写真:山陽本線 瀬野〜八本松/撮影:リン)

座席を改良し、2扉で登場した広島地区の3000番台。初期は瀬戸内色だったが、広島空港アクセス用にイメージ変更が図られ、新塗装へ。
(写真:山陽本線 広島駅 撮影:裏辺金好)

広島地区の115系リニューアル色。関西・岡山地区と似ているが、ベースの色が関西のベージュに近い白に対し、こちらは完全な白色。
(写真:山陽本線 瀬野〜八本松/撮影:リン)

JR西日本が徹底的なコスト削減を目指して塗り始めた地域色。広島支社、岡山支社の電車は濃い黄色一色となった。
(写真:宇野線 備前西市駅/撮影:リン)

簡易先頭車改造された115系にも地域色が塗られている。
(写真:山陽本線 下関駅/撮影:裏辺金好)

地域色に先立ち黄色になった115系「こんぴら」号。2003年10月7日より運転されていた。
(写真:瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:裏辺金好)

2015年12月に登場した、吉備之国くまなく旅し隊ラッピング列車「ふるさとおこし2号」。
(写真:山陽本線 東尾道〜松永/撮影:リン)


2017年3月に登場した、「ひるね姫×くらしきラッピングトレイン」。劇場アニメ「ひるね姫」の世界観と、舞台となった児島・下津井エリアを紹介。
(写真1枚目:山陽本線 糸崎駅/写真2枚目:山陽本線 松永駅/撮影:リン)

2019年3月に登場した、「SETOUCHI TRAIN」。鈴木マサル氏のデザインで、岡山電車区の115系D07編成にラッピング。
(写真:山陽本線 松永駅/撮影:リン)

2012年に運転されたカープ電車。黄色化が進む中国地方の115系の中で異彩を放った。
(写真:山陽本線 糸崎駅/撮影:裏辺金好)

2013年に運転されたカープ電車。2012年バージョンよりも、さらに大胆なデザインとなっている。
(写真:山陽本線 広島駅/撮影:裏辺金好)

2014年に運転されたカープ電車。2年連続クライマックスシリーズ進出のヘッドマークも掲出。
(写真:山陽本線 広島駅/撮影:裏辺金好)


2015年に運転されたカープ電車。1両ごとにベース色を赤と白としているのが特徴。
(写真1枚目:山陽本線 和木駅/撮影:リン)
(写真2枚目:山陽本線 岩国駅/撮影:リン)

2016年に運転されたカープ電車。全車両が赤色となり、初めて選手の写真がラッピングされている。
(写真:山陽本線 松永駅/撮影:リン)

2017年に運転されたカープ電車。正面は白色がベースで、側面は金帯入り。昨年度同様に選手の写真がラッピングされている。
(写真:呉線 吉浦〜川原石/撮影:リン)

2018年に運転されたカープ電車。再び赤一色となり、キャッチフレーズの「°C°C°C(ドドドォー!!!)」が目を引く。
(撮影:リン)

2017年に登場した「サンフレッチェ広島」ラッピング車。
(写真:山陽本線 松永駅/撮影:リン)

広島デスティネーションキャンペーンの一環として、2013年夏に運転された「まんぷく宝島号」
(写真:山陽本線 広島駅/撮影:リン)

2015年に運転されたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」ラッピング車両。
(写真:山陽本線 東岡山駅/撮影:リン)

アニメ映画『ONE PIECE FILM GOLD』とタイアップしたJR西日本せとうちGOLDRALLYラッピング車。2016(平成28)年7月23日から8月30日までの運行。
(写真:山陽本線 瀬野〜八本松/撮影:リン)

1989年の「広島海と島の博覧会」PR塗装。
(写真:山陽本線 広島駅 撮影:haru様 禁転載)

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