185系特急形電車


2011年7月に復活した185系登場時の塗装。斜めストライブが特徴。
(写真:特急あかぎ 高崎線 上尾駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1981(昭和56)年10月
保有会社:JR東日本
元保有会社:国鉄
最高速度:110km/h
使用列車:臨時列車用
元・使用列車:踊り子、湘南ライナー、おはようライナー新宿、ホームライナー小田原、新幹線リレー、谷川、草津、なすの、水上、白根、草津白根、あかぎ、スワローあかぎ、はまかいじ(臨時)、そよかぜ、おはようとちぎ、ホームタウンとちぎ、ホームライナー古河、ホームライナー鴻巣、ムーンライトながらなど
元運転区間:東海道本線、伊東線、伊豆急行線、伊豆箱根鉄道駿豆線、東北本線、高崎線、上越線、吾妻線、中央本線、篠ノ井線、横浜線など

●特急運用から通勤輸送までこなす

 185系は、昭和56年に急行「伊豆」の特急化に伴い特急「踊り子」用の車両として登場した。特急といっても、車内設備は関西の117系と同様で、通勤列車としても使用できるような構造になっており、登場から長らく東海道線と伊東線の普通列車として運用された。また、最高時速は110km/hと遅め。特急といっても、性能・設備は実質的に急行であろう。

 国鉄末期の登場だが、その外版塗色は当時としては驚きの、斜め3本のストライブを車体真ん中の上から下に描くというもの。今では大して驚く塗装ではないが、当時としてはとても斬新だった。

 一方、昭和57年の東北・上越新幹線大宮開業に合わせ、大宮〜上野の新幹線リレー号の車両も登場。こちらは、窓の下に、緑のラインを1本入れた簡素な塗色で登場した。新幹線上野開業後は、特急「たにがわ」「草津」「なすの」「あかぎ」等で使用開始(その後、たにがわ&なすの、は新幹線の愛称になり、それぞれ水上とちぎ と改称)。

 これらの列車は急行の格上げだが、設備が特急並みではなかったため、新特急という料金の安い列車になった。なお、近年の首都圏特急料金均一化により、差異はなくなり、2002(平成14)年12月改正では、ついに新特急の呼称もなくなった。

 1995(平成7)年より、車外・車内のリニューアルが開始。まずは、現・高崎車両センター所属の車両から実施され、続いて1999(平成11)年より現・田町車両センターの車両に施工され、2001(平成13)年に完了した。これにより、ようやく名実共に特急としての体裁を整え、さらに塗色も変更された。

 185系を使用するいずれの列車も比較的長編成で運転されるのが特徴で、15両編成で運転されることもあり非常に迫力がある。運用範囲も関東全域(山梨県も含む)に及び、大活躍中。また、2010(平成22)年9月には「草津」号運転50周年を記念して、80系を模した湘南色の車両が登場し、2011(平成23)年7月には斜めストライブの国鉄色が復活。さらに2012(平成24)年3月には、157系の塗装を模した国鉄色の車両も登場。バラエティ豊かな姿となった。

 2014(平成26)年3月15日改正では、651系1000番台の投入によって「草津」「あかぎ」(新宿発着の1往復除く)から撤退。さらに平日運転の「ホームライナー鴻巣」は「スワローあかぎ」に統合され、「ホームライナー古河」は廃止されたため、185系の運用は大きく減少することになった。

 なお、かろうじて185系での運転が継続した新宿発着の「あかぎ」については、平日は全車指定席の「スワローあかぎ」として運転されていたが、2016(平成28)年3月26日改正で「あかぎ」「スワローあかぎ」双方とも651系1000番台での運転に統一された。

 そして、2021(令和3)年3月13日改正で東海道線の「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」が特急「湘南」に変更されるとともに、特急「踊り子」共々E257系リニューアル車に車両を変更。これによって、185系はついに定期運用を失うことになった。

○形態&塗装バリエーション一覧


現在では消えてしまった国鉄色(主に185系200番台用)。高崎線・上越線などの特急に使用された。
(写真:新特急草津 東北本線 上野駅/撮影:daikiti)

主に特急「踊り子」で使用される185系は、湘南色をアクセントにした塗装に変更されていた時期があった。
(写真:湘南ライナー 東海道本線 藤沢〜大船/撮影:裏辺金好)

主に高崎線・上越線で運用された185系200番台。EXPRESS 185のレタリングが入る。
(写真:特急あかぎ 高崎線 北上尾〜桶川/撮影:デューク)

「草津」号運転50周年を記念し、2010(平成22)年9月に登場した湘南色。OM03編成に施されていた。
(写真:特急水上 山手線 鶯谷駅/撮影:裏辺金好)

2012年3月に登場した、157系風の塗装。OM08編成に施されていた。
(写真:特急草津 山手線 鶯谷駅/撮影:裏辺金好)

「草津」号運転50周年を記念し、2010(平成22)年9月に登場した湘南色。サロ185も往年のグリーン車の塗りわけを再現。
(写真:品川駅/撮影:与太郎)

湘南色185系、先頭のおでこ部分の塗りわけ。
(写真:品川駅/撮影:与太郎)

リバイバル前の「踊り子用」185系最初の塗装。登場時は斬新なデザインとして評価された。
(写真:特急踊り子 東海道本線 横浜駅/撮影:デューク)

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