207系一般形電車(JR西日本)


JR西日本の207系。上写真は2014年から登場している体質改善車。
(写真:東海道本線 高槻駅/撮影:リン)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1986年(JR東日本)/1991年(JR西日本)
保有会社:JR西日本
元保有会社:国鉄、JR東日本
運行区間:東海道・山陽線(各駅停車)、福知山線、JR東西線、片町線、湖西線、関西本線、おおさか東線など
元運行区間:常磐線(各駅停車)、東京メトロ千代田線

●大阪周辺で幅広く活躍する通勤電車

 207系という形式は、国鉄末期の1986(昭和61)年に首都圏の常磐線各駅停車へ投入された車両(900番台)及びJR西日本が1991(平成3)年に標準的な通勤型電車として登場させたものの2種類が存在するが、技術的なつながりは無い。

 本ページで扱う207系は、JR西日本の車両で初めてVVVFインバータ制御を採用した通勤形直流電車で、1991(平成3)年から2003(平成15)年にかけて484両が誕生。JR初の完全地下路線として建設が進められていた、後のJR東西線に直通可能にすることを想定していたため、前面に貫通扉を持つ、左右対称のスタイルが特徴である。

 最高時速は120km/hと通勤電車始まって以来の高速車両である。また、JR西日本の基本方針として、新製車両の統一化を図り、運転台構造などの共通化が他の車両と図られた。

 最初に登場した0番台は、先行試作車が7両編成で電気連結器は非装備。量産車は3両編成または4両編成である。

 1994(平成6)年にマイナーチェンジ車として1000番台が登場。制御装置に東芝製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータを採用したほか、モーターの出力アップなどが図られた。また、新たに制御電動車であるクモハ207形が登場している。

 2002(平成14)年には足回りを223系2000番台をベースにしたものへ変更した2000番台が登場。制御装置はIGBTインバータである。

 2005(平成17)年4月に福知山線(JR宝塚線)で歴史に残る大脱線事故を発生させてしまった。事故の詳細については省略するが、事故後に後継の321系の予定デザイン共々、新色に変更されている。「事故を思い起こさせるような色を見たくない」という遺族、被害者の感情に配慮したという話もあるが、詳細は明らかにされていない。

 さらに2014(平成26)年からは、0番台に体質改善車が登場。外観では前面デザインの変更、前面スカートの強化、行先表示器のフルカラーLED化等が目立つ他、機器類では車両異常挙動検知装置の設置や床下電子機器類の更新、車内は座席や床材の更新などが行われている。

●207系バリエーション一覧


JR西日本の207系。登場時から2006(平成18)年初頭まで見られた塗装。写真は量産先行車であるトップナンバー編成。
(写真:東海道本線 岸辺駅/撮影:デューク)

2005(平成17)年末より採用されている207系の塗装。
(写真:東海道本線 塚本駅/撮影:裏辺金好)

非リニューアル車とリニューアル車の並び。
(写真:東海道本線 大阪駅/撮影:裏辺金好)

↑ PAGE TOP