209系 (保有会社:JR東日本東京臨海高速鉄道
     J.R. Commuter Trains Series 209

京浜東北線で運用される大量の103系を一気に置き換えた209系。しかしそれも、E233系に置き換えられてしまう。
(写真:京浜東北線 新子安駅/撮影:デューク)
●基本データ
デビュー年:1993(平成5)年
運転区間:南武線、京葉線、武蔵野線、中央線、八高線、川越線、埼京線、りんかい線、
       中央・総武線、常磐線、内房線、外房線、東金線、総武本線、成田線、東京メトロ千代田線など
元運行区間:京浜東北線、根岸線

●寿命半分は嘘ではなかった? 車両更新のあり方に一石を投じた車両
 首都圏に投入された大量の103系は平成に入ると老朽化が著しくなってきた。一部の車両は特別保全改造などで延命させることになったが、早晩新型車両の投入が必要になっていた。国鉄時代ならいざ知らず、財政的にも限られている「企業」としては、いかに安い車両を作るかが命題である。そのために設計から根本的に見直した車両が必要となった。この計画に基づいて試作されたのが901系電車で、この電車のデータを元に量産されたのが209系通勤型電車である。

 この形式は設計の段階で基本的な寸法等は決定したが、細部の仕様については、製造メーカーの設備等を有効活用する意味で自由度を持たせており、発注した川崎重工と東急車輛では、製造方法も異なるなど、同じ形式ながら細部はかなり異なった仕様となっている。

 209系は超軽量の電車で、付随車に至ってはわずかに20t程度の重さしかない。最新のVVVFインバータを採用するなど数々の新技術を導入し、コストダウンを図った。あまりにも切り詰めた設計を行ったため、初期には雨天時のブレーキの空走距離が伸びるなど初期故障に悩まされるが、地道な改良が実り、新時代のJR東日本の標準型としての地位を確立していった。

 901系はその後209系900番台に編入され、多くが京浜東北線に投入された。その後総武中央緩行線には幅を広げた500番台が登場、さらに地下鉄千代田線直通用に1000番台も登場した。さらに、八高線高麗川以南電化時には川越線との直通用に3000番台も登場している。

 209系はE231系に発展することとなり、およそ1000両程度で製造は終了したが、近郊型のE217系や交流用の701系等にもその設計思想は受け継がれ、他社の車両にも209系を基本とした車両が登場するなど、鉄道界に与えた影響は大きい。

 ところで、平成16年10月のダイヤ改正で、東京臨海高速鉄道から一部の車両を購入したが、この車両がもともと209系と兄弟車に当たっていたため、JR東日本はこの車両を209系に編入し、さらにこのうちM車の不足分に関しては1000番台以来となる新製となった。これらは3100番台となっている。

 こうして、寿命半分といいながらも、当面はJR東日本を代表する通勤型電車として活躍を続けるように思われたが、E233系を京浜東北線・根岸線に投入が開始され、2007年12月より廃車が始まり、2010(平成22)年1月に全車が引退した。

 ただし、2009(平成21)年10月1日改正より、京浜東北線から運用を離脱した209系を改造した209系2000番台、2100番台が登場。先頭車両の座席をセミクロスシートへ改造、2号車にトイレ設置など大規模な改造が行われ、千葉の113系、211系を置き換えるべく、続々と投入されている。

 また、209系500番台については新天地として中央・総武線へ復帰した車両、新たに京葉線・武蔵野線へ転属した車両もある。さらに0番台については、試験・訓練車両に改造された車両も多い。



○形態&塗装バリエーション一覧など

 南武線用の209系0番台。しばらく1編成で孤軍奮闘してきたが、8次車投入時にようやく2編成目が登場。
さらに2009年に京浜東北線から南武線へ転属した車両(209系2200番台)が登場する一方、こちらは写真のナハ1編成が廃車された。
(写真:南武線 尻手駅/撮影:デューク)


京浜東北線の209系を改造した南武線の209系2200番台。機器更新や行先表示器のLED化が施工され、3編成が登場。
(写真:南武線 川崎駅/撮影:裏辺金好)


 現在は、JR埼京線と直通運転を行う「りんかい線」の70−000系も209系とほぼ同一。
開業当初から活躍していた6両編成だったが、現在は埼京線に合わせて10両編成化が実施されている。
(写真:埼京線 新宿駅/撮影:裏辺金好)


 八高線高麗川以遠電化の際に投入された209系3000番台。
 ドアが半自動化されているほか、前面の路線表示がなくなった以外は0番台と基本的に同じ仕様である。
(写真:八高線 西川越〜的場/撮影:デューク)


2009(平成21)年に誕生した、内房線など房総各線向けの209系。京浜東北線の209系を転用したものである。
(写真:外房線 本千葉駅/撮影:裏辺金好)


 209系3100番台。もともとは東京臨海高速鉄道の70−000系だったが、余剰となっていた車両をJR東日本が購入し、209系に編入した。
 2編成存在するが、1編成分の電動車ユニットは新製している。1000番台以来の久々の増備となった。

(写真:川越車両センター/撮影:デューク)

 209系500番台は幅の広い車体を採用した形式で、すでに登場していたE217系との相違点が限りなく少なくなった点が注目された。
E231系登場までのつなぎと言った印象が強く、170両の製造で終了した。また、6ドア車は存在していない。
 2年間増備されたが、1年目に製造された車両は0番台に準じてひし形のパンタグラフを装備している。
(写真:総武線 幕張本郷駅/撮影:デューク)

 京浜東北線で運用されていた209系500番台。
 デジタルATCの採用に伴い、在来車の改造が発生した京浜東北線だが、この改造に伴い予備車が不足することから総武中央緩行線の500番台の一部が京浜東北線に転属した。デジタルATC使用開始後は列車の増発用に充てられていた。なお、6ドア車は連結していない。

(写真:京浜東北線 川崎〜鶴見/撮影:デューク)

 京浜東北線で活躍していた209系500番台は、房総半島へ向かった0番台と異なり京葉線への転属が行われた。帯色は同線の205系、E331系と同様のものに変更されている。
(写真:京葉線 市川塩浜駅/撮影:グロッグフロッグ)

 京葉線での活躍は長くは無く、今度は武蔵野線へ活躍の場を移す209系500番台。中央・総武緩行線→京浜東北線→京葉線→武蔵野線と転々と・・・。今度こそ落ち着くのであろうか?なお、「むさしの号」運用で中央線の八王子まで入線。
(写真:武蔵野線  西浦和駅/撮影:裏辺金好)

 常磐緩行線の増発用に2編成投入された209系1000番台。
 実質的に209系の最終ロット車で、地下鉄線への直通運転を行うため、前面は貫通式。側面の窓割りについては500番台と同様である。日中は東京メトロ線内での使用が多いようだ。また、代々木上原以遠の小田急線への直通は行っていない。
(写真:常磐線 松戸駅/撮影:裏辺金好)

 もと901系である、209系900番台。900番台の中でもかなり特徴的なのが、写真の910番台で、扉間の大窓はセンターピラーの入ったものとなっている(920番台の一部車両もこのタイプ)。また、モーターの起動音も他車とはまったく違っており、すぐに判別可能。ちなみにスカートの形状も違っている。ちなみに、900番台は6ドアのステッカーを前面に貼っていないことからも他の209系と判別することが出来る。
(写真:京浜東北線 川崎駅/撮影:デューク)

 京浜東北線から引退する209系だが、その余剰車両を使って様々な試験車両が誕生している。写真の「MUE-Train(ミュートレイン)」もその1つで、MUE-Trainとは、MUltipurpose Experimental Train (多目的試験車)を略した愛称で、複数の保安装置を搭載し,空気ばね式車体傾斜機構の試験などを行い、次世代車両の開発に向けて様々なデータを残していく予定。
(写真:川越車両センター/撮影:立川住民様)


209系房総仕様車の車内写真(セミクロスシート)。単純な転用ではなく、地域の特性を考慮して大幅に手が加えられている。
(撮影:グロッグフロッグ)