毛越寺〜岩手県平泉町〜


 岩手県平泉町は平安時代、奥州藤原氏3代(藤原清衡、藤原基衡、藤原秀衡)による100年の繁栄を誇った都市です。4代目の藤原泰衡の時代に、源頼朝によって滅ぼされるまで、東北地方の中心として、当時の京都に匹敵するといわれるほどの発展を遂げていました。特に、藤原清衡によって創建された中尊寺、基衡が創建した毛越寺(もうつうじ)は平泉文化を代表し、今もその面影を残しています。
 さて毛越寺は、奥州藤原氏の2代目の藤原基衡が造らせた寺で、かつては中尊寺をしのぐ規模であったと言われています。しかし、奥州藤原氏滅亡後に衰退し、さらに戦乱などによる火災で建物を焼失。わずかに庭園だけが当時の面影を今に伝えています。その庭園の中心である大泉が池は、見る角度によって実に様々な表情を見せてくれてすばらしいもの。
 紅葉の時期の風景も合わせて、ご紹介します。
(撮影・解説:裏辺金好)

○地図



○毛越寺の風景


本堂
 平成元年に建立されたもので、平安時代様式で建築。

復元図

大泉が池

開山堂
毛越寺を開いた慈覚大師 円仁(794〜864)を祀っています。




講堂跡
1573(天正元)年に戦で焼失して以来、再建されていません。


遣水
 発掘された遺構を元に800年ぶりに復元された平安時代式の庭園。貴族たちが「曲水の宴」と呼ばれる優美な宴を催していました。


遣水
 秋はこのような紅葉に。写真は2018年11月7日撮影。


遣水
現地の看板を撮影。当時の「曲水の宴」を再現するイベントが行われています。



常行堂 【国指定重要文化財】
 1732(享保17)年築。毛越寺に残る貴重な古建築です。


常行堂 【国指定重要文化財】

大泉が池 (以下、特記あるまで全て同様)





ここからは紅葉の風景



入口付近の紅葉


〇観自在王院跡

 毛越寺の隣にあった寺で、奥州藤原氏の2代目の藤原基衡の妻が造らせた寺。現在は復元された舞鶴ヶ池が残るのみですが、隣接する毛越寺と共に、往時の繁栄ぶりをうかがうことが出来ます。


舞鶴ヶ池

遺構

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