第四十三話 シミュレーション、ゴー!

 今日はシミュレーション教習です。シミュレーション教習ではゲームセンターにあるような実際のバイクを模したシュミレーターに跨ります。本当は前回の教習がシミュレーション教習になるハズだったんですが、教習所のミスでうけることができませんでした。

 シミュレーション教習は二人でうけました。シュミレーターは一台しかないので交代でシュミレーターに乗ります。必然的に大人数でシミュレーション教習を行うことはできません。二輪教習は路上教習がないので、シュミレーターで路上教習をシュミレートします。恐らく教習用のシュミレーターなので意地悪なつくりになっているハズです。


 教官いわく、バイクのシュミレーターは実車の運転とはやや異なるとのこと。実車の運転は機体を倒して曲がるという感じが強いんですが、シュミレーターはハンドル操作で曲がります。実際、シュミレーターのバイクってあんまり倒せないんですよね。今回の教習はカーブの体験走行ということで、速度を落とさずにコーナーを曲がります。実際の走行で速度を落とさずにコーナーを曲がるのは危険なのでシミュレーションで体験するわけです(実は後々の教習で覆されるんですが・・・)。


 まず、一緒に教習を受けた方が先にシュミレーターに乗ることになりました。シュミレーター前方のスクリーンにコースが映し出されます。


 記憶があいまいなんですが、スクリーンにはプレイヤーキャラが映し出されており、そのプレーヤーキャラを操作するような仕様になっていたように思います(つまり、自分の視点でプレーするタイプではないということです)。ちなみに今回のコースはカーブの体験走行がテーマなので、危険な罠が潜む市街地ではなく、右手側には断崖絶壁がそびえたち左手側は深い谷という、いかにも「峠道」というコースです。道路は片道一車線です。


 教官の指示どおりに速度をおとさずカーブを曲がると、どうしてもカーブでふくらんでしまうようです。先に受けた方は何度かカーブを曲がるとゲーム(?)終了となりました。


 さて、次は私の番。教官の指示で私は右にでていきます。ちなみに先ほどやった方は左にでていきました。教官の指示通り、私も速度を落とさずカーブにはいります。左にふくらみ、車線をはみだしつつもカーブを曲がります。しかし、次のカーブにはいると、前方に停車しているトラックが!! 左手側には断崖絶壁の崖があり視界が遮られていたためトラックの発見が遅れてしまいました! ヒヤッとしたものの先ほど同様、車線をはみだしてカーブを曲がったため、トラックをかわすことができました・・・脅かせやがって・・・。


 と、思っていたら前方からトラックが出現!! 見事に正面衝突しゲームオーバー・・・。
 教官いわく
「ちゃんとかわしてよ。」
・・・ムリです。あの状況じゃ、たとえ私がニュータイプでもムリです。教官は続けて、
「トラックの右の間(左側に停車していたトラックと右前方から来たトラックの間)にはいれんか?」 
 といってきましたが、左側に停車していたトラックを、かわそうと思ってかわしたわけではなく、カーブを曲がる際、右にふくらみ車線からはみ出したがためにかわせただけなので(自分としてはもちろん左に寄せて曲がりたいと思っていました)、前方から来たトラックの右側に入ってトラックをかわすことなど出来るはずもありませんでした。


 つまり、速度を出しすぎてカーブを曲がると車線をはみだしてしまったり、危険に対して対処することができなかったりして危険だよ、ということを理解するのが今回の教習のテーマのようです。結局、今回のシミュレーション教習はトラックに衝突してゲームオーバーという釈然としない扱いのまま、教習終了ということになりました。

棒