(2)12月28日:ディオクレティアヌスの浴場跡&スペイン広場

 この日はヴァチカン市国へ行くことを前提にルートを組みます。

 ローマ・テルミニ駅の脇では路面電車が発着していました。残念ながら観光地方面には行かないようなので、この日は撮影は適当にして切り上げ、駅前の売店で地下鉄、バス、路面電車が3日間乗り放題+コロッセオなどの観光名所2箇所が無料(3箇所目以降は割引)となる「ローマ・パス」(30ユーロ)を購入します。これ、本当に便利です。

 駅前広場には2011年に設置された前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の銅像がありました。

 そしてローマ・テルミニ駅前の広場北側に隣接するディオクレティアヌスの浴場跡を外観のみ見学。時間が早かったのか、入ることが出来なかったので・・・。

 なお、これは298年から305年にかけて、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの命令で建設されたローマ最大の浴場。かつての規模はなんと敷地が380m×365m(約14万u)、建築物は250m×180m(約4万5000u)という大きさです。それまで最大だった、カラカラ浴場(最終日に訪問します)をしのぐ大きさでした。

 その隣にあるのが、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会。

 1561年にローマ教皇ピウス4世の命令によって、ミケランジェロ(1475〜1564年)がディオクレティアヌス帝の浴場跡のうち、テピダリウム(微温浴室)を聖堂に改造したものです。実はディオクレティアヌス帝の浴場は、他の古代ローマの遺跡と同様に5〜6世紀の異民族の侵攻によって廃墟となってしまいました。

 そこでローマの古代遺跡を調査していた建築家のパラディオが「遺跡の保存を!」と訴えたところ、一部が教会に転用されて活用されることになったのです。うむ?何か微妙に保存の趣旨が違うぞ!?

 ちなみに、この後も何度も名前が登場するミケランジェロは、イタリア・ルネサンス期を代表する彫刻家、画家、建築家、詩人で、歴史や美術の教科書ではお馴染みの人物。ミケランジェロは、このディオクレティアヌス帝の浴場跡をある程度保護しながら、聖堂に改造しましたが、この後には様々な修築や破壊が繰り返され、ようやく本格的に以降の修復が始まったのは、1908年のことでした。


 さて、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会の内部に入ってみました。ローマで最初に訪問した教会で、ご覧の通り息をのむような美しさ、そして高い天井が特徴的です。

 遺跡保護の面では甚だ疑問ですが、古代ローマ帝国時代の建造物が、用途を変えながらも未だに現役で使用されているというのは、非常に驚きですね。

 ちなみに教会の前には、半円形の建物に囲まれた、こんな素敵な広場が。統一国家となったイタリアが19世紀後半に整備した共和国広場(レプッブリカ広場)というもので、中央の噴水はマリオ・ルテッリの作品「ナイアディの噴水」。1901年に完成しました。

 続いて地下鉄A線に乗ってスパーニャ駅で下車。

 こちらがスパーニャ駅です。

 駅前の通路は建物と建物の間に囲まれており、ここに駅があるとはちょっと想像がつきにくい感じ。

 そして、駅を出て直ぐの場所にあるのが、スペイン広場。

 こちらのスペイン階段は、映画「ローマの休日」の1シーンで非常に有名で、恥ずかしながら未だにその映画を見ていない私でさえ、折に触れてTVで流れる「ローマの休日」の場面として見たことがあります。惜しむらくはクリスマスツリー。クリスマスが終われば撤去されるのかと思いきや、秩父路号所員によるとヨーロッパでは正月も含めて12日間展示されるそうで・・・。


 この階段は1725年にフランス大使の援助で造られたそうです。また、丘の上にある教会は1502年にフランス国王ルイ12世の命によって建てられたものです。で、あるにも関わらずスペイン広場、スペイン階段とな。

 理由は、階段の右手にスペイン大使館があったからだと云われています。


 こちらは「舟の噴水」。
 彫刻家、建築家、画家として活躍し、バロック芸術の巨匠として有名なジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598〜1680年)の作品(1629年)で、テヴェレ川が決壊した際に、小舟が水で運ばれたという故事に由来するそうです。

 ベルニーニもこの後、何度も名前が出てきますが、「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛されるほど、ローマで数多くの作品を残し、ローマの街を美しく彩りました。

 さて、スペイン階段を上るとキリスト生誕のシーンが模型で展示されていました。この後、教会に行くたびにこんな感じで、そこら中でキリストの生誕を見ることになります。

 階段の上には、古代エジプトのオベリスクと、トニニタ・デイ・モンティ教会があります。オベリスクは巡礼者の目印にと、18世紀にローマ教皇のピウス6世が建てさせたものです。

 別角度から。

 今度は教会とは反対側の光景を。

 広場では多数の馬車が待機していました。

 こちらは周辺の風景を何となく。特定の建築物だけでなく、こうした街角の風景も撮影するようにしています。

 さて、スペイン広場から西方向へ、何やらドームが美しい教会が見えたので、ふらりと立ち寄ってみました。手持ちのガイドブックではノーマークでしたが、サンティ・アンブロージョ・エ・カルロ・アル・コルソ聖堂。

 内部は長期にわたって修復が続けられているようで、一部が工事中でしたが、ご覧のように非常に荘厳で豪華な内装でした。光輝いておりますな。

 いやはや、何でこれが観光名所ではないのか不思議なぐらい。その後訪れた教会と比較しても、内装の凄さは上級クラスで、これはスペイン広場を訪れた際には、是非訪問していただきたいです。

 天井画もこのとおり。ひゃ〜・・・。

 それでは、この教会を出て、真っ直ぐ北側に進みます。