日本の旅 第66回
北海道札幌市〜正月旅行’04【3】
     A trip of Japan No.66 Sapporo City
○札幌市の概要
北海道西部にある北海道庁所在地。1922(大正11)年市制施行。1955(昭和30)年〜67年に琴似町、札幌村、篠路村、豊平町、手稲町を編入し、1972年に政令指定都市へ(中央区、北区、東区、白石区、豊平区、南区、西区、厚別区、手稲区、清田区)。市の面積は静岡市、福島県いわき市についで全国3位の広さ。人口は約184万人(2004年)。なお、札幌の名前の由来はアイヌ語の「サッ・ポロ」(乾いた広いところ)とする説と「サリ・ポロ・ペッ」(大きな湿地のあるところ)とする説などがある。

4.豊平館
 続きまして、地下鉄南北線に再び乗車し、中島公園駅へ。
 ここから徒歩5分(もしくは市電山鼻線「中島公園通」下車徒歩3分)の場所にあるのが、豊平館(ほうへいかん)です。写真を見て頂ければ解りますが、洋館で、さらに色がウルトラマリンブルーという、建物にしては変わった色です。

 なんでも、創建当初の姿を再現しているそうで、決して今の人が思いつきで塗った色ではないそうです。で、この豊平館。木造2階建て、地下1階で、北海道開拓使が洋風ホテルとして建築させ、明治天皇北海道行幸の行在所として1881(明治14)年8月30日に開館したものです。

 そしてホテルや西洋料理店として使用された後、札幌市が公会堂として使用を始め、札幌の文化の中心的存在となります。

 元々は、北1条西1丁目という、さっぽろテレビ塔の近くにあったのですが、新しく市民会館を建設することになり、この建物は昭和33年、中島公園という現所在地へ移築されます。方角で言えば、南の方に移築されたことになります。

 そして昭和39年になると国の重要文化財に指定され、さらに1986(昭和61)年には老朽化対策と復元工事が施され、今見るような創建時の姿を再現しています。現在は、結婚式、音楽会、各種会合等に使用されています。

 ここで結婚式をやると、さぞかし趣があって良いことでしょうね。

5.札幌市電と旧札幌控訴院(札幌市資料館)
 さて、市内中心部をひたすら歩きまして、今度は北西の方向に向かいます。普段だったら、なんて事もない距離なのですが、雪道に意外と不慣れであったのと、新しく買った靴と私の足との相性が最悪で、血まで出てしまうという、何とも情けない状況の中で進みます。

 で、札幌には路面電車が走っています。カタカナの「コ」を左右反転させたような形の路線を持つ路面電車で、すっかり路線は短くなっていますが、地下鉄が出来る前までは札幌市を東西南北に路線を張り巡らせていました。今は、三越近くの「西4丁目」から、西へ行き、また東に戻って、「すすきの」までの8.5kmの路線となっています。近くに観光名所もないし、経営は苦しいだろうと思いきや、地下鉄より遥かに業績は良いみたいですね(そう考えると、路面電車は良い乗り物です)。

 さて、路面電車の話をしながらも路面電車には乗らなかった我ら一行は、さっぽろテレビ塔も見ながら、大通りを西に進み、その端にある旧札幌控訴院(のち札幌高等裁判所、現札幌市資料館)へ。と言っても、中はのぞかないのですが、なかなかこれは立派な建物。1926(大正15)年の建築で、控訴院として建てられた物が現存するのは、名古屋とここだけだそうです。

 余談ですが、この控訴院。明治時代の最初の頃は函館にありまして、青森と北海道を管轄していました。ところが、青森の管轄が宮城に移されることになったので、移転問題が起こります。何と国会でも論戦となり、結局函館控訴院中川検事長が柿原控訴院長の連名で「札幌に移すべし」と意見書が出され、札幌に移りました。こうやって、札幌が北海道の中心として整備されていくんですね。ちなみに、第一次世界大戦の影響で予算削減されて、このような形の建物になったそうです。

 それでも、正面中央の造形(三角形の部分)に目隠しをした女神像、その左右の剣と秤、上には花の組紐に囲まれた対の鏡が浮き彫りになっているなど、非常に凝った作りの建築です。なお、札幌控訴院改め札幌高等裁判所はさらに移転し(札幌市内ですが)、この建物は1973(昭和48)年)に札幌市資料館となりました。また1997(平成9)年、国の登録有形文化財に指定されています。

6.以下余談
 正月と言うことで、他色々見るべき所もあったのですがお休みだったり、帰ってからネットで調べたら「あれ、こんなのもあったんだ」とか、あと最大の原因として前述しましたが、靴と私の足の相性問題があって、札幌は満足に観光出来ず。

 さて、まず左の飲み物2種類。大黒屋さん推薦の北海道の飲み物。上が「乳酸菌が生きている」ソフトカツゲン。下が、ガラナエール。ちなみに写真に写っている腕は、友人M氏のものです。

 素敵なネーミングの飲み物なので、北海道に来た際は是非お試し下さい。あれ、これ札幌限定ではないですよね? 大黒屋さん。

 で、この後の我ら一行の行動ですが。
 JR手稲駅まで歩いて、JRに乗車しJR新札幌駅へ。何故かここで広島風お好み焼きを食べます。しかも、材料用意されて自分で作らないと行けません。初対面の大黒屋さんの前で、無様な姿を見せるわけにはいかないので、相当なプレッシャーがかかりましたが、見事に大失敗しました。

 実家が広島なのにこのザマです。ぁ〜情けない。
 ちなみにお好み焼きは、大黒屋様におごって頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。ごちそうさまでした。その後、JR新札幌駅の中&JR札幌駅の中で、2つ続けて本屋へ。が、ここで下痢が私を襲い、また無様な姿をさらすわけで、この日の午後はとんだ受難でございました。ガックリ。

 左の写真は、JR北海道の普通電車721系。
 乗り心地が非常に良く、ここに限らず最近、全国の鉄道に乗って思うのですが、東京の電車の乗り心地の悪さは、日本でも最下位のグループにはいるのでは? と思います。 とか言いながらも、座ると爆睡するのですが(笑)。

 さて、時間も宜しいようで大黒屋さんとお別れ。
 次回、お会いする時には、きちんと体調を整え、靴も履き慣れた物にしておこうと、固く決意した次第です(その結果、次回以降は今のところ問題なく会っております)。

 そしてJR札幌駅のホテル日航の中にある温泉(スパ)へ。2000円ぐらいしましたが、札幌の夜景を見ながら入る風呂は最高でした。人もあまりいませんでしたし。ここですっかりリフレッシュ! 遅いっつーの。

 なお、札幌駅前はこのようにイルミネーションが非常に美しく、寒いのを忘れて見入ってしまいました。そしてお土産を購入しに行きます。そこでこんなやりとりを見ました。
客「東京で絶対に売っていない物はどれですか?」
店員「え、え〜っと・・・こちらの商品なら、比較的売っていないと思うのですが・・・」

 う〜ん、お客さんの気持ちよく解りますね。北海道の商品は特に、北海道物産展と称して売り出されていますからね。

7,こちらも改築された函館駅
 さて、夕食は一気に貧乏くさくなって駅の中のロッテリアでハンバーガーを購入。というか、全然、地域名物のものを食べていないんですが。一番豪華だったのが、先ほどの「広島風」お好み焼きですが、こりゃ広島の物ですがね(しかし、味は良かった!)。その他は、コンビニのおにぎり、サンドイッチ、カツ丼です。なははは。

 そして、急行「はまなす」に乗車。1時間以上前だったと思いますが、自由席の前は既に長蛇の列。ギリギリ、座ることが出来ました。恐るべし自由席ッ! そして車内が暑い! 眠ってなんかいられません。灼熱地獄です(それは大げさだけど)。んで、この急行「はまなす」は函館でしばらく停車するので、真夜中、ちょっと駅を見てみました。


 こちらも、昨年改築された駅です。凄く落ち着いた感じで、改札口周りは空間が広く、また改札口からホームに行く間には、函館にまつわる物を彫った彫刻のレリーフが。なお、外観の写真は暗すぎて撮れませんでした。さて、またまた、どこから青函トンネルだか解らない中、青森へ到着します。

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