クラス222「メリディアン」 

British Rail Class 222 'Meridian'


イースト・ミッドランズ・トレインズ(EMT)のクラス222/0。色鮮やかな塗装が見栄える流線型だ。
(撮影:クリックルウッド駅、Cricklewood Station)

●基本データ

デビュー年 2004年
製造会社 ボンバルディア・トランスポテーション(Bombardier Transportation)
最高速度 200km/h
運行会社 イースト・ミッドランズ・トレインズ(East Midlands Trains, EMT)
運行区間 ミッドランド本線(Midland Mainline)
●ロンドン・セント・パンクラス(London St Pancras)〜コービー(Corby)
●ロンドン・セント・パンクラス(London St Pancras)〜シェフィールド(Sheffield)
●ロンドン・セント・パンクラス(London St Pancras)〜ノッティンガム(Nottingham)
編成詳細

クラス222/0 7連x6本、5連x17本
クラス222/1 4連x4本


●ロンドンとイングランド中部を結ぶ高速電気気動車

  クラス222はボンバルディア製の電気気動車で、元々はロンドンとイングランド中部を繋ぐミッドランド本線の速達列車用にミッドランド・メインライン社(Midland Mainline)が導入した。ヴォヤジャーシリーズの一員で、クラス220と同じB5005型の軽量ボギーや、クラス220/221と共通のカミンズ製のエンジンを採用したりと共通する部分がある。

導入背景
 ミッドランド・メインラインへは当初クラス222が23本が導入され(内訳:9連x7編成、4連x16編成)、ロンドンからシェフィールドやノッティンガムへの速達列車に投入された。置き換えたクラス170より加減速・最高速度に優れ、時間短縮に貢献する。しかし4連の編成の普通車座席数がクラス170より少なかったため、しばらくの間一等車中間車一両を普通車の乗客用に開放していた。2006年末には編成構成をより均一化するため9連の編成から1両抜き、4連のものに組み込んだ。これによりクラス222の内訳は8連x7本、5連x7本、4連x9本となった。2007年11月にはミッドランド本線とイギリス中部のフランチャイズがイースト・ミッドランズ・トレインズ(EMT)に移り、同時にクラス222も転属。

 EMTの元でクラス222は更なる編成組み替えが行われ、結果的には7連x6編成と5連x17編成に落ち着いた。現在7両編成はロンドンからシェフィールドへの最速達列車に主に充当され、5両編成はシェフィールド、ノッティンガムやコービーへの準速達列車を主に担当。

EMTへの集結
 クラス222にはファースト・ハル・トレインズが既存のクラス170を置き換えるために2005年に導入したクラス222/1も存在し、4連x4本が使用されロンドンとハルを結ぶ列車に運用されていた。2007年にはボンバルディアの車両基地で編成を持ち上げるためのジャックが折れ、編成ごと地面に落ちるハプニングがあった。被害を受けたのは同社の編成で、4連中2両は廃車になり、他2両は修理が必要となりボンバルディアが置き換えの車両を新造した。

 2009年にファースト・ハル・トレインズ所属のクラス222/1は同系列会社のファースト・グレート・ウェスタンから運用を外れたクラス180に置き換えられ、全てEMTに転属した。これらの編成は前述の5両編成とともにミッドランド本線の準速達列車を主に担当している。

(解説・撮影:秩父路号、2016年3月更新)

●ギャラリー


元ファースト・ハル・トレインズ所属だったEMTのクラス222/1。
(撮影:ラドレット駅付近、Radlett Station)


普通車の車内。クラス220/221と異なり機器を床下に多く配置しているので車内は比較的解放感がある。

旧ミッドランド・メインラインのクラス222/0。
(撮影:ラドレット駅付近、Radlett Station)


旧ファースト・ハル・トレインズ時代のクラス222/1。
(撮影:ハル駅、Hull Station)

●参考文献・ウェブページ

・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2
Bombardier: Diesel Electric Multiple Unit Class 222 "Meridian" & "Pioneer" - United Kingdom
Wikipedia: British Rail Class 222

↑ PAGE TOP